[耳コピ楽曲分析]ハナヤマタOP-花ハ踊レヤいろはにほ/作曲-田中秀和(①導入~Aメロ1篇)

花ハ踊レヤいろはにほ①導入~Aメロ1
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実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!

コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!

過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!


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楽曲情報

今回はハナヤマタというアニメのOP作品、花ハ踊レヤいろはにほだよ。いわゆるアニソン?実はアニメは未拝見なんだけど、ネットでこの作品の作曲家の「田中秀和がやばい!!」ってワードをよく目にしてて、これは是非聞かねばと聞いたらどっこーんやられました…w

本作品のアーティストは「チーム“ハナヤマタ”」って言うらしい(アニメ声優陣とのこと)のだけど、ここでは作曲者田中秀和、という点を前面に押し出させてください!!調は、転調するからその都度書くけど冒頭はFmだよ!初期表示ではコード表記をCで表示するから必要に応じて楽曲情報ウィジェットで移調してね。

楽曲分析

導入/イントロ部

① | ⅣM7(13)   | Ⅴ7/Ⅳ 
② | Ⅲm7    | Ⅵm7
③ | Ⅱm7    | Ⅲm7
④ | ⅣM7    | Ⅴ7sus4

あ~ここで早速ぶっこんだネタ晴らししたい~~~けどサビの後で!ここでは特にヤバヤバなことはしてないけども、あとでアガるネタがあるんだ!

一旦さくっと簡単に見ていこー。

コード進行:安定の王道進行4536(の亜種)

① | ⅣM7(13)   | Ⅴ7/Ⅳ 
② | Ⅲm7    | Ⅵm7

分数コードイメージ
図:分数コードイメージ(いらすとや)

まず。①~②にかけては4536だね。王道進行と呼ばれるコード進行。これはHANABI/Mr.Childrenのサビ解説でもやったね。

この王道進行2つ目のコードはベース音Ⅳの上にⅤをのっけた亜種、結構J-POPではお見掛けするぐっとくるパターンだ。

ⅣからⅤへのダイナミックな動きではなく、体半分乗り出してⅤとなっているイメージ、まさにこんな図のような…?w

コード進行:5度下降からの順次進行(上行)

Ⅵm7
③ | Ⅱm7    | Ⅲm7
④ | ⅣM7    | Ⅴ7sus4

5度下降
図:5度下降

③からは、Ⅵm→Ⅱm7の5度下降で受けてからの順次進行。4和音の世界だね。コードの音高と共に徐々にボルテージを高めていく感じ!

Ⅱm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅴと昇っていくイメージを絵にするとこんな感じかな?徐々にエンジンかかってゴール(トニック)に走ってくって感じ。

順次進行2345
順次進行2345(いらすとや)

コード:トライトーン排除のドミナント

④ |~ | Ⅴ7sus4

④の最後が単純なⅤ7ではなく、sus4にすることで7thとのトライトーンを回避して少しスカした感じだね。具体的には

()ののトライトーンを
Ⅴsus4()にする

ことで回避してる。

Ⅴ7トライトーン回避
図:ドミナントのsus2やsus4によるトライトーン回避

このsus4に関しての印象や効果は、「トライトーンの回避のスカし」の他に「解放感/開ききった感のまま迎えるAメロ」の印象を受けるなぁ。両手を広げるイメージ。パーッと光が差し込んでまるで心が開くかのような。その後の歌詞の

弱気な心を開ける魔法のキー


を連想するかのようだ(これはこじつけ、、、かな?w

僕はどうしてもsus4入れると一度解決を挟みたくなるんだけど、解決しない使い方もすごくありだね!勉強になるわー!

…ってこのペースで分析&感心してたらこの後ボコボコのボコにされるぞ……楽曲に…

Aメロ1

正直この作品に関してはAメロとかBメロとかの構成名称をどう呼称すればよいかわからず…一旦僕のイケてない感覚で「Aメロ1」とかとか書くことをお赦しください…

① | ⅣM7(9)   | 〃 
② | Ⅲm7    | 〃
③ | ♭ⅢM7   | 〃
④ | Ⅱ7sus2  | Ⅴ7sus4 Ⅴ7
次 | Ⅶm7

コード進行:M7m7無限回廊

スタート感のあるⅣで始まったね。そこからコードが下がって進行していく。そんな中、③にダイアトニック外の

♭ⅢM7

ってコードが出てくるね。これは誰なのかというと、全音下の調の

ⅣM7

の借用だよ。実はここのコード進行、ベース音を半音ずつ下げてコード構成をM7、m7と交互にするだけで延々とコード進行をつなげていけるんだ。僕はこれを勝手にM7m7無限回廊って呼んでるw

こんな形、

  • 〇M7 → △m7 → 〇M7 → △m7 → 〇M7 → △m7 → 〇M7 → …
  • FM7 → Em7 → ♭EM7 → Dm7 → ♭DM7 → Cm7 → BM7 → …

みたいにね。

♭ⅢM7から④ Ⅱ7sus2

へのコード接続は、一旦Ⅱm7についたsus2を無視して

♭ⅢM7Ⅱm7

としてみると、全音下の調で

ⅣM7Ⅲm7

をやってるに等しいので、Aメロ前半の

ⅣM7 → ② Ⅲm7

の接続と同じ響きを持つね。調を変えて前半の①→②と同じことをやってるんだ。

でも④のⅡm7はそのⅡm7としての立ち位置も持っているからドミナントⅤ7に飛ぶとスムースに推進していく力を持ってるね。

詳細:今回の♭ⅢM7は全音下の調からの借り物

Ⅲm7から③ ♭ⅢM7

の接続は当然のことながら、このコード間の距離間隔で隣接するコードはダイアトニック内にない(※)ので、このコード接続の間で完全に背景スケールが変更になってる。変更先は全音下の調。
(※ダイアトニックのⅠ、Ⅱm7、…、Ⅶm7♭5の中で●M7の●の音の半音上の音◆で、◆m7となる●M7と◆m7の組合せ。EM7とFm7やBM7とCm7の距離関係がダイアトニックスケール上に共存することがない。)

全音下の調とのスケール差異は元のキーの7番目、3番目の音、つまり

 、  と
♭ⅶ♭ⅲ の差

なので、その調のモードを借りるにはこの2音を使って「下の調から借りたよ」って示唆してあげればそのモードに吸い込まれるんだけど、まさにここの♭ⅢM7というコードが

♭ⅢM7♭ⅲ♭ⅶ

という形で、ルートと5thにがっちりこの2音を使ってるんだ。

図:メロディ(主人公)と調性/コード(背景)

そんな背景を操っている中で、メロディだけは不動のまま繰り返すことで、世界観を壊したとは感じさせることなくうまく雰囲気だけ借用してきてる。演劇(楽曲)で主人公(メロディ)がステージ上(調性の中)で演じ続ける(奏で続ける)中、急いで行われる舞台の模様替え(別調からの背景借用/コード借用)みたいだね。

ここのメロディは、下属調のペンタトニック(元の調の1,2,4,5,6番目の音)のみで構成していれば同じように調性維持できるね(下図例参照)。3,7番目が♭変化する借用だからそれ以外の音は共通するもんね。

2つの調の共通音(CキーとB♭キー)
図:2つの調の共通音(CキーとB♭キー)
詳細:♭ⅢM7って同主調借用じゃないの?

ちなみに「♭ⅢM7って同主調の借用じゃないの?」って考え方もできるけど、それは音楽を聴いた感情の分析(本質)ではなく、コード表記だけ見た表面上の分析だからオススメしないよ。

同主調の音階

からの借用とみる場合、背景スケールは3,7番目だけでなく、6番目まで♭になった

♭ⅲ♭ⅵ♭ⅶ

というスケールになる(音を並べ替えただけ)んだけど、♭ⅢM7→Ⅱ7sus2のコード進行の中で、その♭ⅵの音を聞いてないよね。もっと言うとメロディが

       
       

でモロにⅵを♮として確定してる。つまりダイアトニックスケールとしては以下一択になるね。

♭ⅲ♭ⅶ

つまりこれは全音下の調の

と同じ音階だね。

このM7m7無限回廊の考察は面白そうなので、別途ラウンジ記事で深堀しようかなって思ってるよ(何か面白いこと見つけたら、多分w)。

コード:Ⅱsus4

④ | Ⅱ7sus2  | Ⅴ7sus4 Ⅴ7

Ⅱがsus2になってるね。普通にⅡm7でいいんじゃないの?って思うけど、その理由はメロディに注目すると見えてくる。

(弱~気な~心を~開け…↓)
   
   キー 

ⅶが多いメロディだねー。Ⅱmからすると13th、これはⅡmの構成音m3(調でいうⅳ)とトライトーンでぶつかるね。これの回避だったんだ。

音楽理論ではⅡm7での13thはアボイドだーとかで使用を控えるように言われちゃったりしてると思うんだけど、今回はメロディだもんね、そりゃー「そこのけそこのけメロディが通る」の論理で避けるのはコードの方になるよね‪w

実際にⅡm7でメロディ弾いて濁りを確認してみてね。

ふぅ…さて…(腰を上げる)

コード:Ⅶm7!?

④ | Ⅱ7sus2  | Ⅴ7sus4 Ⅴ7
次 | Ⅶm7

Ⅶm7!お前ぇぇはぁぁぁ誰だ!?

あーもうごめん、Ⅶm7という存在自体はこの作品で初めて聞いたんだ(弦楽器隊のパワーコード5度チョンボとか除く)。いや、ちゃんと言うともしかしたらどこかで聞いてきたかもしれないけど、それはもう転調先の世界の他コードだったのだろうと思う。う~んよくわからん!

先に僕の結論から言おう、

  • 次のパートは属調へ転調している。
  • そしてこのⅦm7は転調先の調のⅢm7だ。

ここまでは事実で、そして僕の意見として

  • Ⅶm7を置き換えの軸にした転調ではなく、Ⅴ7の時点で置き換えている
  • つまりⅦm7なんてものはいなかった

だよ!!!多分!!!(ぜぇぜぇ

ちょっと話題が次のパートに食い込むけど、 細かく見ていこう。 (次のパートの調を確定させるためにもね。)

このパートと次のパートにまたがってるメロディはこの調のディグリーでかくとこうなる:

  ♯ⅳ ♯ⅴ 
     

まずは一連を聴いてでっかい何かが起きてるのでそれから。

転調の紐解き:ピカルディの3度

「それでもひふ」まではいい、次の「み」にピカルディの3度を感じるね(感じるかい?)

  • (ひふ)みの音が思ってたとこより半音上がった
  • の音が明るい
  • の音が明るい方向に引っ張った

のような感覚、もしくは「みの音で空気をわざとらしく明るく変えたな?」的な感じだよ。

実際目で見ても一度ⅴの形で登場した音が次には♯ⅴに変化してるね。

ここにピカルディの3度の無理やりな明るさを感じなくても、上記は目視でも把握できるんだ。見ていくよ。

「それでもひふ」までのノートで7音からなるスケールの3番目の音以外の「♯ⅳⅴⅵⅶⅰⅱ」の6音が登場してる。ここの雰囲気にダイアトニック以外の匂いがしないからどこかの調のダイアトニックだ。

ハーモニックメジャースケール in Cメジャーキー
ハーモニックメジャースケール in Cメジャーキー

ⅲなのか♭ⅲなのかってのを考えてみると、ⅲの一択になる。なぜならもし♭ⅲを仲間に加えると、♭ⅲと♯ⅳとの距離が半音3つ分あいてもはやこれはダイアトニックじゃないね、ハーモニックメジャーだ(右図の♭ⅵとⅶの距離分離れちゃう)。今回ハーモニックな匂いしないから♭ⅲは選択外。

これにより確定したスケールを見てみると

♯ⅳ

となるね。これは属調のメジャースケールだね。以下と音階同じでしょ?

つまり属調なんだここは。

そうなってくると「(ひふ)み~♪」の♯ⅴは、属調の♯ⅰが正体だったってことで、万事ピカルディの3度という結論になったわけだね。

転調の紐解き:Ⅰ7→Ⅲm7接線転調

次の話題、さてそうなるといつから転調していたのかって話。結論から言うと、特定できないのでこう考えませんかって主張だけにとどまるよ。(土下座

僕の考えはこう(理解しやすいからってだけの理由)。

ダイアトニック+αな世界ではⅠ7はそんなに珍しいものではない。なのでⅤ7の時点でこのコード自体が属調先のⅠ7を示唆し、

Ⅴ7 →  Ⅶm7

Ⅰ7 →  Ⅲm7

という置き換えを踏んだってわけ。更にその前のコードもⅡ7sus2の形だから属調のⅤ7sus2とも取れるよね。ただし、転調を示唆していないのでⅦm7が出現するまでは転調した気にはなっていないと思うよ。属調との共通和音でじわじわと違和感のない世界に踏み込んでⅦm7で一気に属調に寄せちゃった感じだ。

さて、「Ⅶmとは~」みたいに解釈しなかった理由は、見なした先のⅢm7もダイアトニック上だし、Ⅶm7を元の調上で新規に解釈するよりも転調先のⅠ7→Ⅲm7で解釈した方が解釈しやすいかなって。

じゃなきゃ「Ⅶm7の響きとは…」とか「Ⅴ7→Ⅶm7の接続の響きって…」とかとか新しい概念(そしてそれはそんなに効果的に使えそうもない)を自分の中に作って迎え入れなきゃいけないじゃん、今回の響きはそこまでしなくてもいいかなって響きに聞こえたので僕はさっき書いた解釈に留まるよ。

ここまでの解釈で記載しなおし再掲するよ。

① | ⅣM7(9)   | 〃 
② | Ⅲm7    | 〃
③ | ♭ⅢM7   | 〃
④ | Ⅱm7sus2  | Ⅴ7sus4 (Ⅴ7)

の最後のコードにて

(Ⅴ7)を

(Ⅰ7)に置換え転調

④ | ~省略~  (Ⅰ7)
次 | Ⅲm7

この転調のときに

  (♯ⅳ ♯ⅴ )
  (    )

のメロディは属調の中で

   ♯ⅰ 
    

になる。

さてこれで次のパートの調が属調である確定したね。続きいくよー!

…っと一旦ここまで

おっと少し長くなったので今回はここまで!整理するよ!

  • 田中秀和氏まじやばい…augだけじゃないぞ…!
  • 4536王道進行のⅤ/Ⅳ系
  • Ⅴsus4は解決しなくても、トライトーン逃し(スカし)にGood!!
  • 〇M7→(〇-1)m7→(〇-2)M7→…の無限回廊
  • メロディどけるくらいならコードをどける(トライトーン回避のⅡ7sus2)
  • Ⅴ7を属調のⅠ7と見なしての置き換え転調
  • 田中秀和氏まじやばい…!

こんなとこかな?ではまた!

長くなりそうだなぁ…w

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コメント

  1. […] 「それでもひふみ」からだよ。既に別記事では分析したけど、A♭キーからE♭キー側への転調。それを確認していこー。 […]