実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!
コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!
過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!
サマソニだああああああああああああああ 第二弾!
ってことで今回もサマソニアーティスト!ベビメタ!
目次
楽曲情報
さて、今回の楽曲分析の題材は アーティスト BABYMETALの 作品名 いいね! だよ!スカっとジャパンなんかでも使われてたね!
女の子2人組(元々3人組、1人脱退)と引き連れる神バンドと呼ばれる日本を代表するバカテク激ヤバ楽器隊で編成されるバンド。アイドル好きもメタル好きもバンド(楽器好きやギターキッズ)をも虜にして世界を股にかけるハイパーバンドだ!
そして…藤岡先生の訃報は本当に辛かった…お悔やみ申し上げます。
調は C#mだよ。♯が4つ、ファとドとソとレにつく調だ。
コード進行
イントロ
① | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
② | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
③ | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
④ | Ⅵm | Ⅵm
① | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
② | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
Aメロ
① | Ⅵm | Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ
② | Ⅵm | Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ
間奏(あたしのおやつ~)
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
※Ⅵm一発+フリジアンリフでもOK
Bメロ
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅲm | Ⅵm
② | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳm7 | Ⅴ
サビ
① | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
② | Ⅳ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅴ
③ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
④ | Ⅳ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅴ
⑤ | Ⅰ
ブリッジ(頭揺らせ~)
① | Ⅵm | Ⅵm Ⅲm
② | Ⅵm | Ⅵm ♯Ⅱdim(omit3) ※
③ | Ⅵm | Ⅵm Ⅲm
④ | Ⅵm | Ⅵm Ⅵm/Ⅳ
⑤ | Ⅵm | Ⅵm Ⅲm
⑥ | Ⅵm | Ⅵm Ⅵm/Ⅰ
⑦ | Ⅵm | Ⅵm Ⅲm
⑧ | Ⅵm | Ⅵm Ⅵm
※演奏上は実質Ⅵdim/♯Ⅱと同じ
ブリッジ(デスボ)
① | Ⅵdim 一発
間奏(デスボからのコガネムシ)
① | Ⅵm | Ⅵm | Ⅵm | Ⅵm
② | ♭Ⅶ/Ⅵ | ♭Ⅶ/Ⅵ | Ⅵm | Ⅵm
間奏
① | Ⅵm 一発
(ⅵ↓ⅲ -↑ⅱ↓ⅵ -↑ⅰ↓ⅴ - -↓ⅴ↑ⅵ -↑ⅴ↑ⅵ -)
① | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
② | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
③ | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
④ | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
Bメロ
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅲm | Ⅵm
② | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳm7 | Ⅴ
③ | Ⅴ
サビ
① | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
② | Ⅳ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅴ
③ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
④ | Ⅳ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅴ
⑤ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
⑥ | Ⅳ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅴ
⑦ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
⑧ | Ⅳ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅴ
⑨ | Ⅰ
楽曲分析
全般
スタイル:ヘビーメタル+トランス
BABYMETALと言えば神バンドの激ヤバメタル、時に和風や時にプログレ、時にバラードと掛け算で多様性を見せるバンド。今回の作品はトランスというのかな、メタルながらもアゲアゲなナンバーだね。途中がらっと変わるところなんかMVもがっつり人物像も変わってる。
4つ打ちで裏打ちなEDM系リズムにヘビーなギターサウンドが乗っかる。ノリノリをガツガツアゲる感じだね。
サウンド:リードのしっぽとスライサー
イントロなんかのトランスっぽいリード(芯が少し固め)に対して、その上方で芯が少し緩めのハモリリードがディレイ多めで追従する。メロディのしっぽみたいにキラキラしてるね。EDM系詳しくないからこういう発見は勉強になるなー。
そしてBメロやサビなんかで顕著に聴こえるリード(とパッドの中間位?)の細かいスライサー。スライサーっていうのは、伸ばした音を途切れ途切れ区切るサウンド(この呼び方ギターだけかな?)
スネアや歪みギターの低音でドコドコザクザクやると刺激が強すぎるけど、こういったサウンドだと強烈さがなく疾走感が出ていいね!
いいね!
イントロ
コード:フリジアンの短2度落とし
① | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
② | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
③ | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
④ | Ⅵm | Ⅵm
でたー!!! フリジアン リフ!ヘビー×フリジアンの極悪ハーモニー!
基本的にここはトニックである
Ⅵm
一発なんだけど、リフが フリジアン なので、少し細かく分解して書くと
① | Ⅵm | Ⅵm ♭Ⅶ
ってなる。この
♭Ⅶ
がダイアトニックをはみ出してるコード、モーダルハーモニーの フリジアン モード!からの フリジアン の 短2度落とし !強い。
コード進行:順次進行の振り子
① | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
② | Ⅵm | Ⅴ | Ⅳ | Ⅴ
そして4つ打ちリズムに裏打ちリフのインストスタート!コード進行的に短調Ⅵm中心の 順次進行 の振り子ゆらゆら~。
間奏(あたしのおやつ~)
モード:極悪フリジアン
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
① | Ⅵm ※( Ⅴm | Ⅵm ♭Ⅶ )
※フリジアンリフ
コードとしてはⅥmだけでもOK、加えてⅤmや♭Ⅶの組合せでモーダルハーモニーとしての フリジアン モード。加えて入ってくるデスボイス、
極悪か…!
Bメロ
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅲm | Ⅵm
② | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳm7 | Ⅴ
③ | Ⅴ
コード進行:王道進行4536
ヘビーな間奏からの① 王道進行 4536。綺麗にまとまって向かっていく推進力がいいね!
コード進行:SDMと順次進行
②はコードの形的にⅡから登っていく 順次進行 。サビなどの主題に向かう形でよく見る、盛り上げる進行だね。
そんな中で3小節目のコードがダイアトニック外のコード、これはいわゆる サブドミナントマイナー で、優しい響き。
サブドミナントマイナー にも2つの顔があって、一つはハーモニックメジャー上のⅣmと、同主調上のⅣm。違いは(僕の言葉で書くと)
- ハーモニックメジャー上:優しく陰って切ない、7thつけるとⅣmM7
- 同主調上:優しく少し前向きに切ない、7thつけるとⅣm7
って感じ。今回のはⅣm7だから後者の同主調からの借用、モーダルハーモニーの エオリアン モード。少し前向き感があるよね。
サビ
転調ギミック:エオリアン転旋(同主調)+メロキープ
さてサビはキーが変わって同主調の中に入る。原曲で言うとC♯マイナーキー(Eメジャーキー)からGメジャーキー(Eマイナーキー)の世界への変化。ここの転調のギミックを見てみよー。
まずさっきBメロラストのコード進行で見たように、 サブドミナントマイナー が出てきたね。その サブドミナントマイナー が明確に エオリアン モード=同主調に乗っかった状態になっていたので、すんなり同主調であるGメジャーキーに転調しやすい状態になっていた。
具体的に両方を比較してみよー。元の調上で元のスケールと
{ⅰ、ⅱ、 ⅲ、ⅳ、ⅴ、 ⅵ、 ⅶ}=元のスケール
{ⅰ、-、♭ⅲ、ⅳ、- 、♭ⅵ、 -}=ⅣmM7(上書きする音)
これは
{ⅰ、ⅱ、♭ⅲ、ⅳ、ⅴ、♭ⅵ、♭ⅶ}= エオリアン モード(同主調)
{ⅰ、ⅱ、 ⅲ、ⅳ、ⅴ、♭ⅵ、 ⅶ}= ハーモニックメジャー モード
としてみると、聞いたコードが明確に3番目を♭で聞かせてるので エオリアン モード寄り。つまり明確に同主調へ寄せてる響きだね。心はいつでも同主調Welcome状態。
更にここのメロディは
♭ⅶ ♭ⅵ ⅴ ⅳ ♭ⅲ ⅳ~
げーん じつ と う ひ こう~~
となっていて、7番目の音が♭であるってことを聞かせちゃってる。つまり完全に エオリアン モードで、同主調 の中に片足半分入り切っちゃってる。同主調のディグリーで書くと
ⅴ ⅳ ⅲ ⅱ ⅰ ⅲ~
げーん じつ と う ひ こう~
となってディグリーの数字に♯や♭がつかないのがわかるね。この最後の音はサビ頭の
ⅲ ⅴ ⅲ ⅴ
いい ね! いい ね!
と同じ音なので、違和感もなく入り込める状態。そしてBメロ最後の
Ⅳm7→Ⅴ
というコード接続は転調先の
Ⅱm7→Ⅲ
という形で、コード接続という一連の線で2つの調が接してる状態、接線転調の準備ばっちりでスムースにサビで転調してる。
コード進行:カノン進行形
① | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
② | Ⅳ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅴ
③ | Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm
④ | Ⅳ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅴ
⑤ | Ⅰ
①~②前半までの6小説は カノン進行 の亜種だね。そして後半でキメありのドミナントⅤで次のⅠに向けてホップステップ!
ブリッジ(頭揺らせ~)
① | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅲm
② | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ ♯Ⅱdim(omit3) ※
③ | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅲm
④ | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅵm/Ⅳ
⑤ | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅲm
⑥ | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅵm/♭Ⅶ
⑦ | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅲm
⑧ | Ⅵm | Ⅳ/Ⅵ Ⅵm
※演奏上は実質Ⅵdim/♯Ⅱと同じ
コード進行:空間雰囲気重視のⅥm一発
細かく見ると些細なコード/ベース変化等あるけど、基本的にⅥm一発。空間の雰囲気重視のパートになってるね。正直ベース音はピッチがダルッダルのボヨンボヨンすぎて採譜の自信はない(;^ω^)ごめん
背景スケール:フリジアン、ダブルハーモニックマイナ、暗い系オンパレード!
サマソニに向けて時間がないから(言い訳)かなりすっ飛ばすけど、ここは細かく見ると凄く面白そう!暗い系のスケール転旋オンパレードだと思う!
一見普通のⅥm一発っぽい空気の中、②の最後に出てくる音でスケール2番目と3番目の間の音がある、同時に3番目の音は聞こえてるのでこれの正体は2番目の♯。この状態に似たスケールと言えば ダブルハーモニックマイナー !かなり暗いスケールだね。
ダブルハーモニックマイナー
ⅵ、ⅶ、ⅰ、♯ⅱ、ⅲ、ⅳ、♯ⅴ
そして⑥の最後でフリジアン短2度落としの音が出てくるね。なんとも暗いスケールを転旋しまくるⅥm一発空間だ。
ブリッジ(デスボ)
① | Ⅵdim 一発
コード:Ⅵdimの狂気のロクリアン
出た、狂気のロクリアン!!!
これをロクリアンと呼んでいいものか少し躊躇しちゃうけど、ここは
ⅥmをⅥdim(Ⅵm♭5)
に置き換えつつ、リフで 短2度落とし もやっている状態、つまり2番目と5番目が半音下がったスケールで
ⅵ、♭ⅶ、ⅰ、ⅱ、♭ⅲ、ⅳ、ⅴ
のスケールという形で見て ロクリアン 。もうなんだか フリジアン の極悪が可愛く見えるくらい狂気、そんな空間。メタルでは主食だよ(おい
間奏(デスボからのコガネムシ)
① | Ⅵm | Ⅵm | Ⅵm | Ⅵm
② | ♭Ⅶ/Ⅵ | ♭Ⅶ/Ⅵ | Ⅵm | Ⅵm
背景スケール:極悪に戻るフリジアンコガネムシ
繰り返しになるから簡潔に書くと、ここの②でまた フリジアン の 短2度落とし が入ってくる。先ほどの狂気 ロクリアン に比べたらまだ少し感情というか情景や展開性のある極悪君だね。コガネムシ~は金持ちだ~♪(メ`皿 ´*)
間奏
① | Ⅵm 一発
(ⅵ↓ⅲ -↑ⅱ↓ⅵ -↑ⅰ↓ⅴ - -↓ⅴ↑ⅵ -↑ⅴ↑ⅵ -)
コード:足元みろー!なⅥm一発
今までひどいところにいましたから、そろそろ戻らねばいけない時間ですよ、と。ということで「お前の歩く道はここだぞ!」と言わんばかりのⅥm一発だね。(よく聞くと実はベース音で他に引っ張ってる混ざりものあるけど。)
リフ:真正面向かせるマイナーペンタピロピロ
その一発のなか「ピロッロロッピロッ」となってるシンセ、これは マイナーペンタトニック 。Ⅵmの道をピロピロと宙に舞って真正面を向かせてくれてる感じ。
おしまい!サマソニ盛り上がろう!
さてどうだったかな?単純にかっこいい作品だから着手してみたものの、書けば書くほどどんどん深みに入っていっちゃうね。モードが極悪 フリジアン 君、狂気の ロクリアン 君とまさにヘビーサウンドにぴったしな転旋だったね!
思い立って勢いでかいた雑な分析でごめん。間奏は詳細に聴音・分析するとまだまだ面白そう!
でわでわ、今日のサマソニも楽しもう!またね!
それじゃーね!
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