[耳コピ楽曲分析]さくらのうた/KANA-BOON(コード進行+①イントロ篇)

[楽曲分析]さくらのうた①イントロ篇
LINEで送る
Pocket

実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!

コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!

過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!


以下3本立てで書いてくよ!それぞれ見たいところを見てね!

スポンサーリンク

楽曲情報

アーティストKANA-BOON作品名さくらのうただよ。今回から演奏しやすいコード進行と、分析用コード進行を書いてくよ!

調E だよ!♯4つね!初期表示ではコード表記をCメジャーキーで表示するから、ウィジェットで変更してみてね。

[演奏向け]かんたんコード進行

イントロ

①| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm | ♯Ⅴdim | Ⅵm | Ⅴm Ⅰ/Ⅴ
③| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm | Ⅱm/Ⅴ | | Ⅰsus4

⑤| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
⑥| Ⅱm | ♯Ⅴdim | Ⅵm |
⑦| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
⑧| Ⅱm | | | Ⅰsus4

Aメロ1

①| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm | ♯Ⅴdim | Ⅵm | Ⅴm
③| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm | | | Ⅰsus4

Bメロ1

①| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ/♯Ⅳ |
②| Ⅲ/♯Ⅴ | Ⅵm | |

③| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ/♯Ⅳ |
④| Ⅲ/♯Ⅴ | Ⅵm | |

サビ1

①| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm | ♯Ⅴdim | Ⅵm |
③| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm | | | Ⅰsus4

Aメロ2~Bメロ3

しばらくパートごと同じのため、省略。

最後サビ

①| Ⅳsus2 | Ⅳsus2 | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵm |
③| ⅣM7 | ⅣM7 | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅴ7 | Ⅵm Ⅲ7/♯Ⅴ | Ⅵm/Ⅴ Ⅱ7/♯Ⅳ
⑤| |

アウトロ

①| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm | ♯Ⅴdim | Ⅵm |
③| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm | | | Ⅰsus4

⑤| | | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
⑥| Ⅱm | Ⅱm/Ⅴ | | Ⅰsus4

[分析向け]コード進行詳細

イントロ

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵm | Ⅴm Ⅰ7/Ⅴ
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅱm/Ⅴ | Ⅰadd13 | Ⅰsus4add13 Ⅰadd13

⑤| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
⑥| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
⑦| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ
⑧| Ⅱm7 | Ⅴ7 Ⅴ7add13 | | Ⅰsus4

Aメロ1

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
②| Ⅱm7(9) | ♯Ⅴdim7(♭9) Ⅲ7/♯Ⅴ | Ⅵm | Ⅴm7(9) Ⅴm7(11)
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
④| Ⅱm7(9) | Ⅴ7 Ⅴ6 | | Ⅰsus4

Bメロ1

①| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ7/♯Ⅳ |
②| Ⅲ7add♭13/♯Ⅴ | Ⅵm7 | |

③| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ7/♯Ⅳ |
④| Ⅲ7add♭13/♯Ⅴ | Ⅵm7 | | Ⅴ7 ⅣM7/Ⅵ Ⅴ7

サビ1

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅴ7 Ⅴ7add13 | | Ⅰsus4

Aメロ2

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
②| Ⅱm7(9) | ♯Ⅴdim7(♭9) Ⅲ7/♯Ⅴ | Ⅵm | Ⅴm7(9) Ⅴm7(11)
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
④| Ⅱm7(9) | Ⅴ7 Ⅴ6 | | Ⅰsus4

Bメロ2

①| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ7/♯Ⅳ |
②| Ⅲ7add♭13/♯Ⅴ | Ⅵm7 | |

③| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ7/♯Ⅳ |
④| Ⅲ7add♭13/♯Ⅴ | Ⅵm7 | | Ⅴ7 ⅣM7/Ⅵ Ⅴ7

サビ2

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅴ7 Ⅴ7add13 | | Ⅰsus4

間奏

①| ⅣM7 | ⅣM7 | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵm |
③| ⅣM7 | ⅣM7 | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm7 | | | Ⅰsus4

Bメロ3

①| Ⅰadd9/Ⅲ | Ⅳ6 | Ⅱ7/♯Ⅳ | Ⅴadd9
②| ♯Ⅴdim7 | Ⅵm7add11 | | Ⅴ7(9)

③| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ7/♯Ⅳ |
④| Ⅲ7add♭13/♯Ⅴ | Ⅵm7 | |

⑤| Ⅰ/Ⅲ | | Ⅱ7/♯Ⅳ |
⑥| Ⅲ7add♭13/♯Ⅴ | Ⅵm7 | | Ⅴ7 ⅣM7/Ⅵ Ⅴ7

サビ3

①| Ⅳsus2 | Ⅳsus2 | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅴ7 | Ⅵm Ⅲ7/♯Ⅴ | Ⅵm/Ⅴ Ⅱ7/♯Ⅳ
⑤| | Ⅴ6

アウトロ

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅴ7 Ⅴ7add13 | | Ⅰsus4

⑤| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
⑥| Ⅱm7 | Ⅱm/Ⅴ | Ⅰadd13 | Ⅰsus4add13 Ⅰadd13

楽曲分析

イントロ

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵm | Ⅴm Ⅰ7/Ⅴ
③| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
④| Ⅱm7 | Ⅱm/Ⅴ | Ⅰadd13 | Ⅰsus4add13 Ⅰadd13

⑤| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
⑥| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
⑦| ⅣM7(9) | ⅣM7(9,13) | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ
⑧| Ⅱm7 | Ⅴ7 Ⅴ7add13 | | Ⅰsus4

  • 全体的にテンション多めで主張弱めたオシャレっぽさ
  • メインコード(Ⅳ)の上でトニックを持ち上げて、音数多めで水っぽくするⅣM7(9)=Ⅳ+Ⅵm+Ⅰ
  • Ⅰ/Ⅲ≒Ⅲm、トニック感(終止感)がほぼない主役
  • いわゆるパッシングディミニッシュ系の♯Ⅴdim7、これの正体はⅢ7/♯Ⅴ、Ⅵmに最強に迫るドミナントコード亜種
  • Ⅴm→Ⅰ→Ⅳの正体は下属調の2-5-1
  • Ⅴm→Ⅰ→Ⅳはギターメロディが入るとこではⅤに変化

詳細を見ていこー!

コード:テンションおしゃれ感

楽曲を通してテンション多め。和音は増えれば増えるほど根音(ルート)の主張が弱まる(トライトーンを避けて選ぶ必要あるけど)のでオシャレになってる。(参考:[コード]世界観を測る物差し!3和音で行こう! : 音の主張の強さ)

①| ⅣM7(9) | ⅣM7(9) | ~

①の最初のコードをトライアドで分解すると

ⅣM(9) = , , , ,
=    (=, , )
 + Ⅵm   (=, , )
   +    (=, , )

って分解できるよね。ベースや低音側でメインのコードの主張をしつつ、トニックであるⅥmやⅠを載せるのはオシャレにするポイントだね。ⅥmもⅠもトーナルセンター候補のトニックたちなので、Ⅳの主張を壊すことなくオシャレにしてくれてる。

ミスチルのHANABIの分析(サビ篇)のⅣM7(9,♯11)でも書いたけど、ⅳから3度堆積を重ねると、トライトーンや短2度の音がなかなか入ってこないので、すごく水っぽく透明なオシャレ度をアゲていけるね!

コード:Ⅰ/Ⅲ

①| ~| Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ
③| ~ | Ⅰadd13/Ⅲ | Ⅰadd13/Ⅲ

⑤| ~ | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ Ⅰ/Ⅲ
⑦| ~ | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰadd(9,11)/Ⅲ

Ⅰ/Ⅲ!転回系と呼ばれるコードの形。実質Ⅰの中身の高さを回転させただけだしⅠと同じでしょ!…って気もしなくもないよね。でもそんなことはないんだ(些細だけどね)

Ⅰ/Ⅲというコードはトニック感(終止感=「ここで曲終わりたい!」という感情)をやや失って、機能的にはⅢmに近い状態。「終わらないよ、これから進んでくよって」気持ちの入ったⅢmの明るい版。

ここのコードをⅠにしちゃうと明るく突き抜けちゃうね。転回系が凄くいい感じ。

コード進行:パッシングディミニッシュ♯Ⅴdim7の正体

②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵm | Ⅴm Ⅰ7/Ⅴ
⑥| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11

②や⑥の2小節目でⅥmの前に♯Ⅴdim7が出てきている。よくある解説なんかでは

Ⅴ→Ⅵmの間に、これらの間のコード♯Ⅴdim7が経過的に使える

なーんて言われてるこのパッシングディミニッシュコード、ただ強引にⅤとⅥmに挟まれた音を“経過的”に鳴らしてるわけじゃないんだ。ちゃんと有効性があって、、、

こいつの正体はⅢ7/♯Ⅴ

なのだ!コードの上層部ではⅢ7からⅥmへのドミナントモーションを綺麗に決めてるんだ。そりゃーⅥmにがっちり決まるわけだね!

少し掘り下げて背景スケールを解説すると、直前まで心はダイアトニックスケールの世界(記事:[ダイアトニックスケール]白鍵盤というハズさない音階参照)に浸ってる。下図はCメジャースケールの例だけど、ダイアトニックスケールについて大事なのは「白鍵盤の距離間隔(半音が0,2,4,5,7,9,11個分の音たち)」の形ってこと。

Scale-Major
図:Cメジャースケールと半音物差し
(図は基準=Cの鍵盤例)

この心の状態から♯Ⅴdim7を聴いたことにより、この瞬間の心の中の背景スケールはⅴが♯ⅴに上書き更新されちゃった状態になるんだ。

Scale-HarmonicMinor
図:Aハーモニックマイナーと半音物差し
(図は基準=Aの鍵盤例)

元々:, , , ,   ,  ,
変化:, , , ,  ♯ⅴ,  ,

つまりから見たハーモニックマイナースケールだね。

, , , , , , ♯ⅴ,

調性音楽の重要な柱として「匂い:スケール」「機能:ルート×コード」というものを考えると、極端な話「匂い:ハーモニックマイナー」と「機能:♯Ⅴ(×何か)」を軸に適当にコードを作れば、ここの文脈はだいたい成立するんだ(かなり暴論…)

匂いハーモニックマイナーについては、♯ⅴの音だけ聞かせれば他の6個の音はダイアトニックのまま心の中にあるからOK!

適当なコードを作る/当てる上で、濁らないように音を重ねないと、コードがその機能を発揮する前に「うわ、このコード濁りすぎてきつくて聞きたくない」っていう心理が働くからそこは注意だね。

Scale-HarmonicMinor
図:ハーモニックマイナーと半音物差し
(図は基準=Aの鍵盤例)

そうなるとスケール上の3度か4度で重ねていくんだけど、まぁ通常は3度だね。さて、再掲の右図のスケール上で♯ⅴを含む3度距離で重ねた3和音(1-3-5番目,3-5-7番目,5-7-2番目で作る)や、4和音をいくつか挙げてみると…

  1. ♯Ⅴdim  ※トライアド、♯Ⅴm♭5と同じ
  2. ♯Ⅴdim7 ※これが作品中使われてる
  3. Ⅲ/♯Ⅴ  ※トライアド
  4. Ⅲ7/♯Ⅴ  ※上記3のセブンス化
  5. Ⅰaug/♯Ⅴ ※トライアド
  6. Ⅰaug add9/♯Ⅴ ※上記5のアドナインス

こんなとこかな。Ⅰaug7(9)とか5和音以上は外したよ。

コードの選択ポイントを考えてみよー!2和音間の性質や3和音の性質から各コードの特性が見えてくる:

  1. ♯Ⅴdim  → dimはトライトーンが1つあってきつい、トライアドは主張濃い
  2. ♯Ⅴdim7 → 上記1にトライトーンが追加されてもっときつい
  3. /♯Ⅴ → 濁らない調和!響きは暗いがコードは綺麗
  4. 7/♯Ⅴ → 上記3トライトーンがくっついて調和の中にきつさがある
  5. aug/♯Ⅴ → augは不安定!暗さの中に不安さ(安定のなさ)がある
  6. aug add9/♯Ⅴ → 上記5トライトーンが入ってきつさもある

とかとかざ~っくり僕視点。例えば「濁らせず主張強めにしたい」ならば上記3、「とにかく暗くきつく不安定にさせたい」ならば上記6、とかとかそんな選び方ができるね。些細なことだけど、細かくニュアンスが表現できるね。

コード進行:Ⅵm→Ⅴm→Ⅰ→ Ⅳ系

②| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵm | Ⅴm Ⅰ7/Ⅴ
③| ⅣM7(9)

⑥| Ⅱm7 | ♯Ⅴdim7 | Ⅵ7sus4 Ⅵm | Ⅴadd11
⑦| ⅣM7(9)

②の最後から③にかけてのコード進行

②| ~ | Ⅵm | Ⅴm Ⅰ7/Ⅴ ③| ⅣM7(9)

はJ-POPの小節最後とかでも結構よく見るⅤm→Ⅰ→|(小節跨いで)Ⅳの進行。そういえばこれ、関ジャムでオーイシマサヨシさんが「禁断のコード進行」っていう名前で紹介してたなー。

番組内での紹介はどちらかというと「Ⅵm→Ⅴm(ついでに→Ⅰまで)」がクローズアップされてて、「本来Ⅵmからクリシェ下降で行きたいところ」を「強引に平行移動(ⅤルートのコードもⅥm同様にマイナーコード=Ⅴm)した」ことによる浮遊感的な紹介だったけど、理論的に説明できるよ!よし心情分析だ!

突然スケールアウトした(※ダイアトニック以外の音が入り込んだ)Ⅴmを聞いた瞬間に何を感じているか。ミスチルのHANABI(大サビ篇)でも解説したけど、心がダイアトニックに世界にいる状況で突如出てきた

Ⅴm

Ⅲmよりも

Ⅱm

聞こえることも多いんだ。同主調ではなく下属調に。なぜか、っていうのは背景スケールを意識すると見えてくる。

Ⅴmを聞く直前まで心はダイアトニックスケールの世界にいて、突如出てきたⅤm(=ⅴ, ♭ⅶ, ⅱ)により、ⅶが♭する形で心の中のスケールを上書き更新する、こんな感じ:

元々:, , , , , ,   
変化:, , , , , ,  ♭ⅶ

これって下属調の音たちと同じなんだ。以下ルビの実音名を見てみてね。

, , , , , , 

同じでしょ?一連のコード進行を下属調で見てみると…?

元々: Ⅴm Ⅰ7/Ⅴ ③| ⅣM7(9)

読替: Ⅱm Ⅴ7/Ⅱ ③| ⅠM7(9)

はいばっちり下属調の2-5-1モーションでした!

コード2つ目のⅠ7もさっきのⅠ/Ⅲと同様、転回系で大人しくしてるね。


⑥| ~ Ⅵm | Ⅴadd11 ⑦| ⅣM7(9)

一方でイントロ後半の⑥から⑦にかけては前半のものとほぼ同じコード進行と思いきや、このⅤmの流れが普通のⅤになっちゃってる。僕の考えはこう。

まず、音の方向への変化は「キツさ」「迫る」「攻める」「とがった感じ」を感じることが多く(文字通りsharpにとがる感じ)、変化っていうのは「柔らかさ」「間抜けさ」「滑稽さ」「広大さ」「広がった感じ」を感じることが多い(文字通り出っ張りやトゲや角などをflatにした感じ)。僕主観だけど。ホールトーンなんて間抜けや滑稽さの最たるもんだね。

で、Ⅴmというのは♭系。さっき見た前半イントロのⅤm→Ⅰ→Ⅳでは

  1. 広がる感じのⅤmから
  2. 本来トニックのⅠ(一旦明るいんだけど終止感なし、下属調から借用中)行って
  3. 開始感のあるⅣにうまくパス!

といった進行。

一方で後半イントロは、Ⅴというメジャーコードによってさっきの♭ⅶがⅶに戻って、まさにトニックⅰに「迫る」感じを演出してる。お!ドミナントとしてやる気出したなって感じ。♭ⅶ⇔ⅰという全音距離だったのがⅶ⇔ⅰという半音の距離に一歩詰め寄ったポジションに戻ったんだ。

そしてメロディを歪んだリードギターが弾くことで、メロディも一歩攻めてるのかなって。(またそのリードギターがⅶ→ⅰへと実際にⅰにアプローチして攻め攻め!)

メロディのない前半の広大感から攻める感じに転向したイメージ!

…っと一旦ここまで!まとめ

さて、簡単コード表記も手伝って記事が長くなっちゃったね。ここらで一旦区切るよ!要点を整理しよー!

  • 全体的にテンション多めで主張弱めたオシャレっぽさ
  • メインコード(Ⅳ)の上でトニックを持ち上げて、音数多めで水っぽくするⅣM7(9)=Ⅳ+Ⅵm+Ⅰ
  • Ⅰ/Ⅲ≒Ⅲm、トニック感(終止感)がほぼない主役
  • いわゆるパッシングディミニッシュ系の♯Ⅴdim7、これの正体はⅢ7/♯Ⅴ、Ⅵmに最強に迫るドミナントコード亜種
  • Ⅴm→Ⅰ→Ⅳの正体は下属調の2-5-1
  • Ⅴm→Ⅰ→Ⅳはギターメロディが入るとこではⅤに変化

やる気と余力と需要があったら(ないない)実際に打ち込んで動画も作ろうかなって思ったけど…気が向いたら!

それじゃーね!

読んでくれてありがとー! ↓ よければランキングや広告ポチもお願いします!
  にほんブログ村 音楽ブログ 耳コピー・採譜へ  にほんブログ村 クラシックブログ 音楽理論へ

LINEで送る
Pocket

コメント

  1. […] 以下3本立てのうち上の2本は[耳コピ分析]さくらのうた/KANA-BOON(コード進行+①イントロ篇)で書いてるから見てね!それぞれ見たいところを見てね! […]

  2. […] [演奏向け]かんたんコード進行 → ちょろっと簡単に演奏したい人! […]

  3. […] さくらのうた/KANA-BOON①イントロ篇でも書いたね。Ⅰ/Ⅲはほぼ終止感なく、Ⅲmのように「前(Ⅳ)に進もう!」とか「ゴール(Ⅵm)に行こう!」っていう進みたい状態。一旦前(Ⅳ)に進んでここからベース音が一気に半音ずつ上がっていくよ! […]

  4. […] [演奏向け]かんたんコード進行 → ちょろっと簡単に演奏したい人! […]