前回の記事「Ⅲmはトニック?(前篇:提起~定義1)」の主張と整理はこうだったね。
- トニックの定義の仕方が2つありそう
- 定義1はⅠと同じ機能のものをトニック
- 定義2は終止感を持つものをトニック
- これらを混同すると変な結論を導いちゃう
この定義1によるトニックと呼ぶべきものたちの整理分類は
だったね。続いて定義2の考察から僕の結論までだよ。
目次
定義2「終止感を持つもの」という性質による定義
感じ方に対する定義
先ほどの定義は、Ⅰというコードを軸に考えている定義だったね。定義2は感じ方や性質を軸にした定義だよ。「○○コードはトニックなので~云々」ではなく「○○コードはトニック感ももっている」のような性質からの定義だよ。
微妙な表現をすると、Ⅰがトニックじゃないこともあるような定義。だからまずここから確かめていくよ。
Ⅰはトニックか
終止感だいたい持つよね。なのでトニックの顔を持つ(=Ⅰをトニックと呼ぶ)。前回記事に書いたⅠ/Ⅲの使い方のときは終止感がないので注意が必要なケース(使い方)もあるんだなーってスタンス。
Ⅵmはトニックか
これも終止感があるね。トニックの顔を持つね(=Ⅵmをトニックと呼ぶ)。Ⅵm/Ⅲも前述の例で置き換えれそうだし「いつでもトニック」と考えるのは危険そうだね。
Ⅲmはトニックか
トニックの顔を確認できてない(=トニックと呼ばない)。終止感を帯びる使い方ってあるのかな。なので僕の整理ではトニック扱いはしない(終止感を持つ使い方の発見をすれば、その使い方に限ってトニックって呼ぼうかと)
ⅠとⅥmはトニック、Ⅲmは違う
以上から、定義2においてはⅠとⅥmはトニックだけど、Ⅲmはトニックじゃないって整理。
定義1と2を可視化し比較する
定義1のベン図イメージ
定義1は「Ⅰ is the ゆるぎないトニック!他のトニックはⅠと似てる顔を持つもの」だった。ダイアトニックコード達に対する僕のイメージをベン図っぽく描くとこんな感じかな。コードが色のついた枠で、性質が要素(点)のベン図。Ⅰと交差してるもの=Ⅰのもつ性質との共通項を持つもの=ⅢmとⅥmがトニックって考え、終止感のないⅢmもトニック。

ここでポイントなのは、Ⅰの中に相反する2つの属性があるということ。
- 終止感がある
- 終止感はない(がSDに行きたい感がある)
上記1の終止感でⅠとⅥmは同類となって、上記2の終止感ないけどSDに行きたい感でⅠとⅢmが同類となるという「Ⅰは時と場合で性質が背反」な点がありそう。定義2の終止感による定義はこの上記1点目そのものだから定義がごちゃごちゃになると混乱のもとだね。
定義2のベン図イメージ
そして定義2は「トニックは終止感という性質、Ⅰであっても終止感がない使い方はトニック感がない」というもの。先ほどとは逆の視点で、性質が色のついた枠で、コードが要素(点)のベン図。トニックという枠の外にもⅠの点(Ⅰ/Ⅲ)がある、つまりトニックじゃないⅠがあるような、こんな感じだね。

Ⅰ(Ⅰ/Ⅲ)とⅢmをつなぐ緑色の円(集合)が先ほどのベン図での「終止感がないがSDに行きたい」というⅠとⅢmの共通要素(点)だよ。ⅢmとⅠ(Ⅰ/Ⅲ)は「トニック(オレンジの四角枠)」の外で仲間になってるんだ。
整理すると…
まとめ
定義1によるとⅢmはトニック、定義2によるとⅢmはトニックじゃないってなる。これをごっちゃにすると以下のような変な論理ができちゃう。
「トニックは終止感を持つ(定義2)、Ⅲmはトニック(定義1)、なのでⅢmは終止感をもつのでいつでもⅠの代わりになれる」
ってなことを色々考えちゃったラウンジタイム。どう感じたかな。同分類してもいいけどその恩恵を考えて類別していきたいね。「トニックだから~」って根拠として使うときは「その言葉、どの性質をさしてるつもりで使ってます??」って気を付けよーね、 異論は認める!それじゃーね!
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