メジャー化①Ⅵ:優勝!バカ明るくしよー!

メジャー化①Ⅵ:優勝!バカ明るくしよー!
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振り返りと目的

さてここからは3和音で見る世界拡張に向けて新しい話が始まるよ。「ダイアトニック世界」として今まで見たカテゴリーはこうだったね。

  1. [コード感/進行]世界観は何が作ってる?
  2. [ディグリー]世界観は骨格だけ見よう
  3. [トニック]その世界の主人公は誰だ?
  4. [ドミナント]ゴールへ走れ!
  5. [サブドミナント]「一旦落ち着こう?」
  6. [ディミニッシュ/Ⅶ緩和案]うぎゃーだ、だれかー!!
  7. [トニック感]Ⅵmの確認
  8. [ドミナント感]Ⅲmの確認
  9. [サブドミナント感]Ⅱmの確認
  10. [ダイアトニックコード]登場人物の整理

この章では一般的に基本となる メジャーキーマイナーキー の世界の中で、 ダイアトニック コード という3和音の役割のようなものを聴き分けてきた。ローマ数字で表す ディグリー、キミの感情とリンクできたかな?

続いてみてきたのは「周辺の世界」のこれら

この章では、世界の中心 トーナルセンター の話、世界と主人公を同じとする平行調 (キミの音楽理論では同じ調と整理)と、 同主調 という世界の話、5度圏という音や調(世界)の距離、その距離で測ってとても近い属調・下属調という近親調の話をしたね。

ここまでの話で、

  • 1つの世界(調)の中の3和音的構造
  • あつ世界(調)に近い調の存在

を考えることができるね。ここからはこの1つのある世界(=調)内のディグリーについて、

  • メジャーコードをマイナーコードに
  • マイナーコードをメジャーコードに

変化させたら世界はどうなるの?っていう響きを見ていくよ。

変化:Ⅵm→Ⅵ

音を聴いて心に訊いてみよー!

最初の対象コードは、 トニック の1つである Ⅵm から聞いてみよう。まずはⅥmのままで変化する前のサンプル音源を聴こう。コード進行は

F → Em → Am → Dm
→F → Em → Am → Am

で、ディグリーで書くと

Ⅳ→Ⅲm→Ⅵm→Ⅱm
→Ⅳ→Ⅲm →Ⅵm →Ⅵm

の2回繰り返しだよ。

どう?特にⅥmのところの心の感情を訊いてね、想像通り暗い終止感でしょ?これが耳に馴染んだら次の変化した例を聴こう!次は

F → Em → Am → Dm
→F → Em → AA

で、ディグリーで書くと

Ⅳ→Ⅲm→Ⅵm→Ⅱm
→Ⅳ→Ⅲm →

の2回繰り返しだよ。

どうだろう?キミの聴感で感じたことを覚えよう!ちなみに僕は

  • るい
  • 凄くるい
  • 馬鹿みたいるい
  • 無理やり笑みを作ろうとしてるくらいるい
  • 優勝!!!

って感じだよ。

Ⅵは優勝
図:Ⅵは馬鹿みたいに明るい、優勝

なぜこう聞こえるの?

なぜ明るく聞こえるか、「 メジャーコード だからでしょ」って聞こえてきそうだね。でもメジャーコード でも実は暗い(次回以降説明)があるから、それが理由とは断定しにくいね。

実はここのAコード、同主調トニック のⅠになりかかっているんだ。以前の記事を少し振り返りつつ書くとこうだよ。

※そこのコードが仮にAmだったときに終止を感じるような流れであること。例えば カノン進行 を一度聴いた後の「C→Em/B→Am」はAmの後まだ続きそう感があって、この場合はトーナルセンターはドにあると感じると思う。

平行同主調の関係
平行同主調の関係

どう?他の調のⅠだって考えると納得じゃない?そりゃ明るいよねって。

さっき「同主調の トニックなりかかってる」って書いたのは、このコード進行を2回ループして聞いてみてわかったと思うけど、元の調にすぐ戻れるからなんだ。もちろんそのままAメジャーキーに転調したものとしてAメジャーキーの中を進行してもOKだよ!

つまり、元のCメジャーキーにもAメジャーキーにも違和感なくいける2つの調の中間状態にあるって考えられる。(後々重要になるよ)

この状態は、ある意味「ほかの調のコード(ディグリー役割)を借りてきた状態」ともいえるよね。がっつり転調しきったってわけでもなく。なので

借用、借用和音、借用コード

って言葉を使って表現する。今回だと

Ⅵは同主調のⅠの借用

だね。

名称

この、トニック Ⅵmを トニック感と持った状態でメジャーコードにすることを、ピカルディの3度と読んだりもするんだ。

余談

耳コピのすゝめ!

楽曲を聴いていて同じ感情を得たとき、その原因はこの子だよ!そこの音をⅥって見てダイアトニック並べたらほら、全部楽曲構造わかっちゃうね。耳コピが楽になる!

Ⅵは前述のような響きのほかにダイアトニック外のコードになるので「なんか雰囲気変わった&無理やり明るくなった!」って聴感があったらほぼそれがⅥだよ。

ちなみに

この Ⅵ は、ピカルディの3度 以外にも近親調に同じコードがあって、そっちに聞こえることもある。よく使用される例だと、下属調のドミナントⅢだよ。5度圏とディグリーコードの位置関係シートを見てみよう。

ディグリーのシートを少しずらしながら見ると

  • C=Ⅰと見るとき、AmはⅥmの位置
  • F=Ⅰと見るとき、AmはⅢmの位置
  • G=Ⅰと見るとき、AmはⅡmの位置

となる。つまりⅥに変化したAは、 属調 GメジャーキーのⅡ 下属調 FメジャーキーのⅢにもなりうるコードなんだ。どちらも元はマイナーコードのメジャー化なので、次回以降別記事で見ていくよ。

でも、現時点においては「同主調のⅠだ!めっちゃ明るいもん!」ってくらいでいいと思うよ!手軽に優勝できるコードと思えば!

まとめ

今回からダイアトニックコードのメジャー/マイナーを入れ替える試みが始まって、その第一弾!Ⅵmのメジャーコード化をやって聴感を確かめたよ。

僕の言葉で整理するとこう!

  • Ⅵは馬鹿みたいに明るい。優勝!
  • 明るく感じているⅥは同主調のⅠになりかけ。
  • 他の調のディグリーとして機能を持つ状態は、ほかの調からコードを借用したと考える
  • 下属調のⅢの借用って考えも?他にも借用ケースがある?

キミにはどう聞こえたかな?キミはキミの聴感・言葉で整理してね。

それじゃーね!

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