前回までで「ダイアトニックの世界」「周辺の世界」「世界の変化(M⇔m)」でダイアトニックな調の外の世界へのお出かけ準備をしてきたね。今回は一旦ここから離れて、これまでいっぱい見てきたコードたちの接続に関するお話をするよ。いわゆるコード進行の小さい版だね。※実はこれも外の世界へのお出かけ準備なんだ♪
今回は導入として、同じコードに対して別々のコードから接続したときの感じ方がどうなるか、変わるのかっていう一種の実験的な記事だよ。
注意点として、これまでは
コード単体の「ドミナントの響き」「Ⅵmの感情」
みたいな見方をしてきたけど、今回は
コード同士の「つないだ時の感情」
のような、時間軸を含めたコード間のつながりによるストーリー性をイメージする内容になるよ。
それでは例を聴いてストーリーを心に訊いてみよー!
(音を)聴いて(心に)訊く
何個かのパターンに絞って、響きや感じ方の違いを聴いて訊いていくよ!…ん?全パターン網羅したい?それはここではやらないけど、自分で実際に音を奏でた方が心にぐっとくるから是非やってみてね!
サンプル題材
過去やったサンプルを用いるよ。レファレンスはテイストも異なる以下3つ!
- [元気なポップ!]
RPG
SEKAI NO OWARI
RPG - [しっとりバラード]
栄光の架橋
ゆず
栄光の架橋 - [激しくメタル!]
Rusty Nail
X Japan
World: Best of
トニックへ
トニックへの経路、これは次の聞き比べをしてみよう
音源は以前のを使うよ!まずは1.ドミナントからのアプローチ!
続いて2.サブドミナントからのアプローチ!
最後に3.トニック(Ⅵm)からのアプローチ!
さてどうだったかな?
- 1は冒頭のコードⅣに背中を押されて、ⅤからスムースにゴールⅠ到達のしっくり感。
- 2は冒頭Ⅳからのつなぎがちょっと違和感あるけど、少し陰った空気のⅡmからゴールへすとんと落ちた感じ
- 3は…う~ん。変。
- …う~ん、なんだか変化したいのにするーっと抜けちゃった感じ。
- う~ん…ストーリー性…う~ん…
とかとかいろんな感想あるかもね。微細な表現は人それぞれ、キミはどう感じたかってのと、ストーリーに違いがあったかどうか、そこを感じよー!
3は、接続元と先で構成音が似ている状態だから変化が感じにくくて心の期待に応えれていないのかもね。今回だと
- {ファラド}
- {ラドミ}
- {ドミソ}
っていう2音が共通する連続。
ドミナントへ
これについても音源は過去の引っ張ってくるよ。ケースは
まずは1から
次に2を
最後に3は
どうだったかな?
- 1はさっき同様
- 2は、初手行き止まりからの一度引き返してゴール!感
- 3はさっき同様、変わった感がないね。ドラマティックさが薄いストーリー?
とかとか、何か感じたものを心にメモっておこう。
サブドミナントへ
最後にサブドミナントへの接続を聴くよ!これも過去の音源から
…
…
…って思ったけどちょうどいいのがなかったので、適当に打ち込んでみたよ。ドミナントからだけにするね。
- Ⅴ→Ⅳ (G→F)
- Ⅲ→Ⅳ (E→F)
さぁ聴いてみよー!以下サンプル音源の1個目と2個目は一番最後のところだよ。3個目はⅤ→ⅣとⅢ→Ⅳを何度か繰り返すよ。
どうかな?僕はこんな感じかな。
- 1のⅤっⅤっⅣ~はⅣで落ち着こうって感じ
- ただ振り子的にⅤ→Ⅳ→で反射してまたⅤに行きたさはある
- ストーリー的に「Ⅴからゴールせず一旦道はずれて休憩」感
- 2のⅢっⅢっⅣ~はⅢからⅣに一歩踏み出た感じ
- Ⅲの屈伸からⅣに飛び出てその勢いでⅤまで行きたさがある
- ストーリー的に「思い切り飛ぶぞ!(Ⅲ)」から「まずは一歩(Ⅳ)」感
とかとかこんな感じかなー?
言いたかったこと
今回の趣旨はどの接続がどうっていう分類話ではないよ。同じコードに対して、どう接続してきたかでストーリー性が変わってくるねってのを体験する記事だったよ。
例えば最後のⅤ→Ⅳと、Ⅲ→Ⅳで同じⅣに到達してるんだけど「脇道逸れたⅣ」なのか「飛び出してこれからゴール目指すⅣ」なのかのように、「コード接続の仕方でストーリーの違いがあるんだな」って思えればOK!
更に「自分はこう感じた!」等がイメージ出来ればもう最高だよ!
まとめ
キミは聴いてどうだったかな?もちろん同じようなストーリーを感じてなくてもいいよ。今回のポイントとしては
コードは、単体でディグリーとしての機能もあるけど、コードと接続することでストーリーが生まれる
ということ。コード接続・コード進行が今後要になってくるんだ。
補足と有益情報!
今回、トニック、ドミナント、サブドミナント っていう3つへの接続だけ、かつ数個のパターンだけ考えたけど、これはもっと繊細に分類すると有益なんだ。例えば、今回ドミナントへの到達って括りにしたⅤへのアプローチは
- Ⅳ →Ⅴ
- Ⅵm → Ⅴ
- Ⅲm → Ⅴ
からのみだったけど、ダイアトニックコードはまだ他にもあるよね。そして、ドミナントへの到達って意味で言うとⅤではなくⅢmへつなぐのはどうなの?っていうのもある。
この辺については、ディグリー間という観点とは別で「移動方向と度数×コードクオリティ(長短)」という視点で分析しているSound Questさんがおすすめだよ!実用的な分析とわかりやすいネーミングをされてる!
それじゃーね!
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