好きな楽曲が手に取るようにわかると嬉しくない?よく聞く「耳コピ」って何?どうやってやるの?そんな記事だよ。
※採譜って書くと、言い過ぎだけど、コード譜を採るという意味でこのタイトルにしたよ
目次
耳コピって?
耳コピ とは音楽を聞いて、譜面を把握することだよ。譜面を書くわけでなく、「ここを弾けば再現出来る」って楽器で把握することも耳コピだよ。
嬉しいこと
でもなんのため?楽譜を買わなくていいとかそんなもん?
まぁ色々あるし、多くの人は「その作品を演奏できる」という大きな喜びが待ち構えてるよね!でももう一個素晴らしいことがあるんだ。それは
分析して楽曲のことが手に取るようにわかる
こと、作品を自分の中に消化し一体化できる!
でも難しそう?
絶対音感とか楽器経験がないと難しいんじゃないかなって思われがちだけど、実はそんなことはないんだ。耳コピと言っても
- 歌える(メロディだけわかる)
- 歌えて雰囲気がわかる(後ろのコード感がわかる)
- 歌も伴奏もピッタリ同じ音を拾う(ガチ耳コピ・完コピ)
と程度は様々だよ。3番目は確かに絶対音感があれば楽だけど、なくても時間をかければ(1音ずつ確かめて…)できないことはないよ…ってそこまでやるかっていうと、目的によるよね。結構しんどい作業。
- 好きな作品を演奏したい
- 好きな作品を分析したい
という動機であれば2番目で十分!そして今回はこの2番目のやり方についてだよ!
耳コピに必要なこと…?
1番目の「メロディを把握」はメロディを認識するって意味ではきっと多くの人ができてると思う。あとはそれを鍵盤とかで探すっていうところはちょっと頑張ればできそうだね。ここはファイト!(突然の突き放しごめんw)
そして1番目から2番目へのステップアップは、実は音感がなくても比較的容易にできるんだ。音感が必要になってくるのは寧ろ2番目から3番目にかけてのステップアップのときだけ、って言っても過言ではないかも。
絶対音感は不要
音感がないのに音楽構造を把握する?そんなこと可能なの?って不思議かもしれないけど、いけちゃうんだ!
音楽に「楽しい」「明るい」「悲しい」「テンションがアガってくる」などなど様々な感情を抱いているとき、キミの心の中には音楽世界が出来上がっていて、その音楽世界には中心が存在するんだ。
そして、その音楽世界の中心とそのとき聴いている音たちの関係がキミに「明るい」「アガってきた!!」などなどの感情をもたらしている。逆に言うと、音楽世界の中心と「明るい」「アガってきた!!」などなどの感情だけで耳コピができちゃうんだ。
楽曲を感じる
つまり、大切なのは「音の把握」そのものよりも「中心の把握」と「キミの感情把握」だよ。ここさえ押さえれば2番目の耳コピは簡単になる。
でもどうやってこの2つを把握する…?
どうやってやるの?
中心音~続きをつくっちゃえ~
中心を聞き分けるやり方、それは「楽曲を聴きながら勝手に自分で終わりを作っちゃう」だ!「この曲こうやって終わったら綺麗だなー」とか沢山妄想する。一番しっくり来た最後の音、これが音楽世界の中心だ!
例えば、日本の年末によく聞くヴェートーベン「交響曲第9番」通称「第九」の例で、白鍵盤で
- ミーミーファーソーソーファーミーレー
って弾いてみて。さぁ、キミはディレクター。引用する第九を尺の都合上、あと1秒で終わらせる形をとらなければいけなくなった。キミなら続きをどうする?どうやって終わらせる?
あくまで適当な例だけど例えば
- |ドー レミ |レーシー|ドー
- |レミ ファー|ミーレー|ドー
- |ファソ ミファ|レミレソ|ドー
とかとかどうだろう?どれも終わった感じするかな?
これらに共通するのは、
最後はドで終わると終止感がある
という点。これだよ、これが音楽世界の中心。この音のことを
って言うんだ。詳しくは「キミの音楽理論」のカテゴリの記事を見てね:トーナルセンターと同じ世界①平行調「トーナルセンター」
※中心には明るい中心と暗い中心があるよ(ドとラの関係)。余談だけどこれはすぐ入れ替わったりするんだ。参考:この世界の影~短調とダブルトニック&センター遷移~
ディグリー分析~キミの感情は?~
そして中心がわかった上で、次はキミの感情分析だ。詳細は「キミの音楽理論」の「ダイアトニック世界」章に委ねるけど、音楽の世界の雰囲気は(だいたい)7つ程度の音とそれの組合せ(和音・コード)で出来上がっている。その代表的なコードたちを
Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶdim
にようにローマ数字+αで表記するんだ。こういった数字たちに対して、聞いた時キミの心がどう感じるか、どんな感情を持つかというのを整理することで、逆に「今この感情ってことは〇〇なんだな!」ってことが把握できるようになる。
例えば、雑に言うと僕なんかはⅠ=「明るく終わる」、Ⅵm=「暗く終わる」と感じるんだけど、さっきの第九の冒頭で
あ、この伴奏の雰囲気、メロディをドにしたら「明るく終わ」れる
って感じて、ここはⅠというコードになる。簡単に言っちゃえば「あ、今Ⅰを感じてる」って思うようになる。これを各箇所で感じ取っていくと
Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅴ→…
のようにコード進行の型ができていくんだ。
どう?ここまでで音感って使ってないでしょ?感情分析だけなんだ。
耳コピ完成
そして、中心は明るいドだったから、中心が明るいドの世界での対応表で
Ⅰ=C、Ⅱm=Dm、…Ⅴ=G、…
と照らし合わせると、コード進行の型は
C→G→C→G→…
となって、とコードが具体化される。ほら、
耳コピ完成!
余談
慣れてくると、初めて聞く曲でも「あ、Ⅳ来た。でⅠ行って…そこからのⅤ!」のように感情→数字直結で聞こえてくるよ。感情と数字がリンクしてさえいれば、あとは勝手に感情が芽生えるのを分析するだけだもんね。ディグリーに慣れ親しもう!
耳コピの3ステップ、
- 歌える(メロディだけわかる)
- 歌えて雰囲気がわかる(後ろのコード感がわかる)
- 歌も伴奏もピッタリ同じ音を拾う(ガチ耳コピ・完コピ)
2ステップ目が「楽」だというのはわかったと思うんだけど、いきなりこれの3つ目が完璧だったら演奏再現はばっちりだよね。分析もばっちり…に思えるよね?
実はそうでもなくって、今回紹介した2番目をすっ飛ばすとちょっと危険なことがあるんだ。
危険な分析
完璧に音を取ったり、譜面とにらめっこする。そこにある「音」は正確かもしれないけど、「中心の把握」を誤ると、ディグリーの数字もその分ずれたものになる。
例えば
C→G→C→…
というコード進行が「中心音がソ」という状態で流れていたとする。つまり感情の状態として
Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→
という感情・聴こえ方をしてるんだ。でもいきなり3つ目の完コピをした人は、もしかしたらこの表面だけの文字で
Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ→
と解釈しまうかもしれない。この状態で分析すると、音楽的でない分析になってしまう。どう聞こえるか、がない状態になる。
ちょっと極端な例を書いたけど、実際に譜面の調号と聴こえ方が違うものってたまに見かけるんだ。例えば調号(♯・♭)がないけど、聞いてる作品の中心はレになってるな、とかね。
だから、この記事で本当に言いたかった裏ステートメントを最後に書くと
分析する上で重要なのは自分の感情
ってことだよ。
- 音楽の中心はどこか
- 今自分の心はどこ(ディグリー)にいるか
を分析することが一番重要だ、って推していくつもり!
それじゃーね!
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コメント
[…] これについては、耳コピのすゝめ~音感不要…に書いたよ。是非! […]