さて前回の[背景スケール変更]ハナヤマタOP-花ハ踊レヤいろはにほ/作曲-田中秀和(サビ前篇)では、なんともそっけないダイアトニックコードによるコード進行を、背景スケール変更+αを駆使してエモエモのエモに変更したね。まだの人は上のリンクから読んでみてね!今回はその後半戦だよ!
目次
楽曲情報
お題はハナヤマタというアニメのOP作品、花ハ踊レヤいろはにほだよ。
作曲者:田中秀和で、調は、冒頭はFmだよ!今回は動画の見やすさのためにCに直してるからそのつもりで見てみてね。
原曲(原曲とは言ってない)
テーマ作品のリバースアレンジング
前回同様、アレンジ前のコード進行を書くよ!と言っても、本当に原曲がこうだったか、ってのはわからない。あくまで簡単なダイアトニックでどうかってところをスタート地点にするよ!
①ⅣM7 ②ⅣM7 ③Ⅲm7 ④Ⅵm7
⑤Ⅱm7 ⑥Ⅲm7 ⑦Ⅵm7 ⑧Ⅴ7
⑨ⅣM7 ⑩ⅣM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵm7
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
前回は①~⑧を見たので、今回は⑨~⑯だよ。聴いておこー。動画は29秒から45秒だよ。
エモくアレンジしていく
⑨小節目の変更(⇒リディアン)
⑨ⅣM7 ⑩ⅣM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵm7
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
前回の①~④と同じ流れ。ここでは変化をつけていきなり傾斜した尖りからスタートさせてみよー!さて尖らせるには…?
リディアン !(ドリアン!)
コードはルートだけが上がる形で、
ⅣM7 ={ⅳ、ⅵ、ⅰ、ⅲ}
が
♯Ⅳm7♭5={♯ⅳ、ⅵ、ⅰ、ⅲ}
になって、響きはこうなるよ↓動画は45秒から1分8秒
コードはこうなったよ↓
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵm7
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
⑩小節目の変更(⇒HM-s)
続いて⑩を陰らせよう。これはもう慣れたね、陰りと言えば ハーモニックメジャー で、 ハーモニックメジャー の上でⅣM7は次のように変化する
ⅣmM7
ってことで聴いてみよー!動画は1分8秒から1分30秒
うん、ばっちり。コード進行はこうなったよ↓
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣmM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵm7
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
⑫小節目の変更(⇒ピカルディの3度)
続いて、⑫を明るくしてみよー!それも優勝!ってくらいに。お手軽優勝と言えば、ピカルディの3度でⅥ!ってことで聴いてみよー。動画は1分30秒から1分54秒だよ
うん、明るくなった。聞こえたかな?ちょっと
特性音の♯ⅰ
の音を弱めにしたから微妙だったかな?コード進行はこうなったよ↓
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣmM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵ
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
⑫小節目の変更(⇒ドミナント化)
でもまだサビは道半ば!ここは 終止感 ではなく次に繋げたいね。コード理論的に、ここを セカンドリドミナント 化してみると、
⑫Ⅵ7 → ⑬Ⅱm7
これは下属調で見ると
⑫Ⅲ7 → ⑬Ⅵm7
短調の強いドミナントモーション!うまいこと繋がるね。一応五度圏を見ておくと、CキーでのⅥm-ⅡmのAm-Dmの場所はFキーから見るとⅢm-Ⅵmだね。
五度圏(時計回りに半音+7)
聴いてみよ―。動画は1分54秒から2分18秒だよ。
コードはこうなったよ。
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣmM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵ7
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
⑫小節目の変更(⇒ミクソリディアン×Hm-s)
さっきのコード変化は、キースケールとしてミクソリディアン状態、つまり下属調の世界の出来事を借りてる状態だね。今いる世界で言うと、
Ⅱm
を短調トニックの
Ⅵm
に見立ててる状態。さて、ここでぐっと引き締めたいなって思ったら背景スケールは何がいいかな?
…そう!ここまででも何回も使った ハーモニックマイナー だね。この下属調の中で変えてみよう。
ハーモニックマイナーの特性音と言えば
Ⅲ7 ={ⅲ、♯ⅴ、ⅶ}の中の ♯ⅴ
だよね。この下属調の出来事を元の調のディグリーで見ると
Ⅵ7 ={ⅵ、♯ⅰ、ⅲ} の中の ♯ⅰ
だけど、あれれ。既に登場してるね。ほかに特徴はというと…?
そう、この特性音の1個下の音までの距離が、半音3つ離れている異常な インターバル だってこと。この音があれば ハーモニックマイナー らしさが出るはず!具体的に、下属調の世界での音は
♯ⅴの半音3つ下:ⅳ
が特徴的。これを元の調のディグリーで見ると
♯ⅰの半音3つ下=♭ⅶ
だね。これもメロディやコードで鳴らしちゃおう。コードはどうなるかと言うと
Ⅵ7(♭9)
になる。メロディが奏でている
ⅶ、ⅶ、ⅶ、ⅵ、ⅲ~
もこのスケールに乗せちゃうと
♭ⅶ、♭ⅶ、♭ⅶ、ⅵ、ⅲ~
になるね。さぁ聴いてみよー!動画は2分18秒から2分42秒だよ。
どう?引き締ったかな。コード進行はこうなったよ↓
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣmM7 ⑪Ⅲm7 ⑫Ⅵ7(♭9)
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
⑪小節目の変更(⇒2-5 on ミクソリディアン(×Hm-s))
ここまででもいい感じにエモくなったと思うけど、少し強調してつないでいこー。具体的には、エモい⑫へナイスなパスを⑪から出すんだ!ナイスなパス(進行)と言えば…5度下降!短調のドミナント化してるから、それに向けた 2-5 なんていいね!
今、⑫は下属調の短調ドミナント状態だから、これに対する2-5の2と言えば?
Ⅶm7♭5
だね。これを元の調で書きなおすと
Ⅲm7♭5
だね。キースケールは ミクソリディアン の下属調状態だけど、 コードスケール は ロクリアン で、なんともきっっっつい空気だ。ちょっと聴いてみて。動画は2分42秒から3分5秒だよ
どうかな?キツめだよね。ん?なんだか⑫に向けて先に引き締っていい感じに進行してる?
ここはね、2-5を決めたってこともあるけど、実はこのコードはさっき⑫で背景スケール変更した ハーモニックマイナー に乗っけた状態の変形コードと見ることもできるんだ。
言い方を変えると、⑫での背景スケール変更を、1小節前の⑪で既に変更した形だ。 ぐぐぐっと⑪で引き締って、いい感じに ハーモニックマイナー 上で2-5を決めた形だよ。コード進行はこうなったよ↓
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣmM7 ⑪Ⅲm7♭5 ⑫Ⅵ7(♭9)
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳ ⑯Ⅴsus4
⑮小節目の変更(⇒エオリアン=同主調)
さて最後の4小節。ここはアレンジ段階ではなく、正直作曲段階でのコードチョイスだと思うけど一応アレンジしてるていで書くよw
コード進行として、大枠は
Ⅱm
から始まる上行の順次進行。まさに駆け上がって最後にトニックの主題を掲げてゴールする形だ。
この⑮をふわっと少し優しく広げたい、でも陰らせたくはない。ハーモニックメジャーは陰っちゃうからだめだね。優しい感じとなると♭方向なんだけど…
はい、こんなときは エオリアン 行ってみましょー!状態としては、同主調からの借用。聴いてみて。動画は3分5秒から終わりまで!
うん、いい感じになったね。コード進行は最終的にこうなったよ↓
⑨♯Ⅳm7♭5 ⑩ⅣmM7 ⑪Ⅲm7♭5 ⑫Ⅵ7(♭9)
⑬Ⅱm7 ⑭Ⅰ6/Ⅲ ⑮Ⅳm7 ⑯Ⅴsus4
次回
次回は、今回の記事を書くにあたって実施した、分析手法を紹介するよ。その名も背景スケール分析!
それじゃーね!
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