目次
7CM概要(ざっくり)
注意:本記事は新理論の分析で、少し難しいです
コード理論とは別で、音楽をL1~L4の4つの層に分類し、L1,L2層を考察する7CM理論(※別サイト)っていう新しい音楽理論での分析記事だよ。
音楽は4つの層で出来ている。
- L4:単音、メロディ/旋律
- L3:和音、伴奏
- L2:調性
- L1:中心音
L3-L4層は実際に聴いてる実音、目に見える地上イメージ。L1-L2は実音ではないけどその時背景に感じてるスケール・感じている雰囲気等、地下イメージだよ。
楽曲情報
さて、今回の楽曲分析の題材は、ゲーム『Final Fantasy 7』から 作曲者 『植松信夫』先生の 作品名 『エアリスのテーマ』 だよ!前回の続きで今回は7CM理論での分析、中級以上だよ! 調は Dだよ。♯が2つ、ファとドにつく調だ。
最初に言っておこ-、この作品は
希望 と 現実 という鏡世界の対比が凄い…!
作品だ、って前回も言ったね。その謎を今回7CM分析で明らかにするよ!作品はコチラ↓
コード進行 in 7CM
これまでとは違って、コードの下に「今どこにいるか」の調性を表す代表7CMを書いていくよ。表記はこんな形。
① | コード1 コード2 …
in | 7CM1 7CM2 …
奇数行がコード進行、偶数行が7CMの進行だよ。一旦全体像を書いて詳細説明を進めていくね。
イントロパート
① | Ⅰ | Ⅴm
in | ⅠNM | ⅠAeo
② | Ⅰ | Ⅴm
in | ⅠNM | ⅠAeo
③ | Ⅰ | Ⅴm
in | ⅠNM | ⅠAeo
④ | ♭Ⅵ | Ⅳm
in | ⅠNM | ⅠAeo
⑤ | Ⅰ
in | ⅠNM
Aパート
① | Ⅵm | Ⅲm
in | ⅠNM | 〃
② | Ⅳ | Ⅰ
in | 〃 | 〃
③ | Ⅲm | 〃
in | 〃 | 〃
④ | Ⅳ | 〃
in | 〃 | 〃
⑤ | Ⅲm | 〃
in | 〃 | 〃
⑥ | Ⅳ | 〃
in | 〃 | 〃
Bパート
① | Ⅰ | Ⅳ
in | ⅠNM | 〃
② | Ⅲm | Ⅵm
in | ⅥDor | ⅥNm
③ | Ⅴ | Ⅴ/Ⅳ
in | ⅠNM | 〃
④ | Ⅳ | Ⅲm
in | 〃 | 〃
⑤ | Ⅰ
in | 〃 | 〃
Cパート
N.C
in | your heart (なんちゃって)
7CMと束分析(7CM理論)
この作品の7CMは次の通り。各7CMの定義はこっち(※別サイト)に書いてるよ。
- ⅠNM (ナチュラルメジャー)
- ⅥNm(Aeo) (ナチュラルマイナー)
- ⅥDor (ドリアン)
イントロパート
① | Ⅰ | Ⅴm
in | ⅠNM | ⅠAeo
② | Ⅰ | Ⅴm
in | ⅠNM | ⅠAeo
③ | Ⅰ | Ⅴm
in | ⅠNM | ⅠAeo
④ | ♭Ⅵ | Ⅳm
in | ⅠNM | ⅠAeo
⑤ | Ⅰ
in | ⅠNM
光彩:ミラートーナリティ(鏡像世界)のAeo(=Nm)
同主調状態である7CMのAeoが随所に出てくるね。NMとAeoを行ったり来たりする。Aeoじゃなかったら…?ってのを聴いてみよっか。
① | Ⅰ | Ⅴ
② | Ⅰ | Ⅴ
③ | Ⅰ | Ⅴ
④ | Ⅵm | Ⅳ
⑤ | Ⅰ
全部 in | ⅠNM
何にもぐっと来ないね…wずっと平和な同じ世界で明るい夢を見ているかのよう。まぁそこまで言わなくてもなんというかザ・教科書感があるというか。
じゃーAeoでどうなったのかって言うと、
Ⅴ は Ⅴm、
Ⅵm は ♭Ⅵ、
Ⅳ は Ⅳm
に変化して
ものすごくもの哀しい…明るさと対比されればされるほど切ない…。
NMから見るAeoの光彩(定義はこちら)は
- 主明度(3rd):+(M3)から-(m3)へ
- 主彩度(6th):+(M6)から-(m6)へ
- 主輝度(7th):+(M7)から-(m7)へ
となり、主要光彩がすべてマイナスに転じる。
実はAeo=NmはNMの鏡像世界なんだ(※今後詳細記載予定)。調性柱の1,5度を境に全ての音が反転したミラートーナリティの関係にある。
つまり言い換えると、①~③は1小節おきに鏡像調性世界を行き来してるんだ。光彩を反転させた鏡の世界。
①ⅲ ⅴ ⅰ~ in ⅠNMの希望
①♭ⅶ ⅴ ⅱ~ in ⅠAeo(Nm)の絶望
②ⅲ ⅴ ⅰ ⅶ ⅱ ⅰ ⅵ ⅶ in ⅠNMの願い
②ⅴ~Ⅴm~ in ⅠAeo(Nm)の現実
この対比をイメージしながらもっかい聴いてみて。
機能:Aeo/NM上はほぼ変わらない
光彩の次は機能、一気に書くよ。
- Ⅰ = T in ⅠNM
- Ⅴm = ネガD in ⅠAeo | ネガs in ♭ⅢNM
- ♭Ⅵ = ポジS in ⅠAeo | ポジs in ♭ⅢNM
- Ⅳm = ネガs inⅠAeo | ネガl(エル) in ♭ⅢNM
という状態。そしてあくまで僕にとっては調性として
in ♭ⅢNM
に引っ張られる感じがしないので、上記はAeo側の機能が主機能になるね。機能はルートが基本的に持つので、Ⅵ、♭Ⅵ以外はほぼ同じだね。束ね方で強さや感触が違うだけ。束ね方含め変化を見ると
- Ⅴ(→Aeo変形→)Ⅴm
- 束として機能主張が弱まった
- Ⅵm(→Aeo変形→)♭Ⅵ
- 束として機能主張が強まった
- sがSになることでストーリーの進行力が強まった。
- Ⅳ(→Aeo変形→)Ⅳm
- 束として機能主張が弱まった
ってところだね。ⅠAeo/NMは平行調として中心が被るので機能性はほぼ変わらない。
Aパート
① | Ⅵm | Ⅲm
in | ⅠNM | 〃
② | Ⅳ | Ⅰ
in | 〃 | 〃
③ | Ⅲm | 〃
in | 〃 | 〃
④ | Ⅳ | 〃
in | 〃 | 〃
⑤ | Ⅲm | 〃
in | 〃 | 〃
⑥ | Ⅳ | 〃
in | 〃 | 〃
ここは最初から最後までNMの世界。厳密に細かく言えば、僕の聴感としてはⅢmが来るとin ⅥNmのスイッチが入っちゃうけどね。一旦NMとしておこーか。
いずれだとしても、NMもNmも自然調性だ。凄く自然な雰囲気だね。光彩と機能は割愛するね。(機能はⅠNM|ⅥNmの自然調性多層なので注意が必要だよ)
Bパート
① | Ⅰ | Ⅳ
in | ⅠNM | 〃
② | Ⅲm | Ⅵm
in | ⅥDor | ⅥNm
③ | Ⅴ | Ⅴ/Ⅳ
in | 〃 | 〃
④ | Ⅳ | Ⅲm
in | 〃 | 〃
⑤ | Ⅰ
in | 〃
光彩:
ここもほぼⅠNM|ⅥNm。1箇所だけ異なるのは
ⅢmからⅥm
へ到達するまでの過程でⅥDorになってる。いくつか考えられるのは、
ⅳ音を♯ⅳ音
にすることで
- Ⅲmでのアボイド回避
- フリジアン感回避
とかとかかな。7CMの光彩的には、上輝度(4th)が+になって少し調性がギラつくということと、
♯ⅳ音がⅴの導音
となって
Ⅴ→Ⅵm
の進行力を強めてるかなって聞こえる。つまり
♯ⅳがⅤ
へと誘導して、この ドミナント Ⅴを経由して
Ⅲm → (Ⅴ →) Ⅵm
と トニック に到達した進行に聴こえる。直接ⅢmからⅥmではなくってね。
Cパート
書くことないのになんで章立てするんだって?書いたじゃん7CM。
N.C
in | your heart (なんちゃって)
これは冗談半分、本気半分だよ。ここがすんなり入ってくるのは、キミの心の中の調性が仕上がっているからだよ。その心の中の7CMがこのメロディを包み込んでる。これが、7CMの残り香。
まとめ
ってことで7CM理論でもエアリスのテーマを紐解いてみたよ。紐解きながら図示するまで気が付かなかったけど、あの衝撃的な冒頭のコード展開、あの世界観が鏡像調性の行き来だとは全く思ってなかった。そう考えると、願いと現実のような対比とその調性反転の光彩対比がすごくしっくり来て…すごいなぁって。
さてまとめ!今回登場した調性・7CM範疇はこんなとこだったね。キミなりの聴感を整理して覚えよー!
- AeoはNMの鏡像調性
- Aeoは主光彩がすべてマイナスとなる調性
- 主明度(3rd)
- 主彩度(6th)
- 主輝度(7th)
- Aeoの機能はNMとほぼ変わらない
- Ⅴは機能が弱まる:Ⅴm
- Ⅵmは機能もストーリー進行力も強まる:♭Ⅵ
- Ⅳは機能が弱まる:Ⅳm
- ⅥDorで少し鮮明さ・ギラつきUp
- 加えて♯ⅳ→ⅴの引力でⅢmからⅤを借りてⅥmへ進行した感
それじゃーね!
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