実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!
コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!
過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!
楽曲情報
さて、今回の楽曲分析の題材は アーティスト クリープハイプの 作品名 エロ だよ!ゲスでクズ男なバンドのクズクズな作品だよ!(disってるんじゃなくって、愛を込めて言ってますw)
この作品はほんとクズで、身体をとにかく求める男の本能・エロにまみれた作品。カレンダーのくだりとか見ると、彼女とうまくいかない状態の男が、浮気相手に夢中になる話なのかな。ちょっと違う?
女性の割り切れない気持ちも垣間見えて少し切なく、でも結局やり捨てされて終わる夏。
やはりクズ作品(しつこいw
サビのツインギターの描写はまるで男女のようで…
調は Dbだよ。♭が5つ、シとミとラとレとソにつく調だ。わかりやすくするためにここでは一旦初期表示としてはキー1個上のC表記にしておくので、必要に応じて【楽曲情報ウィジェット】のプルダウンで変更してね。
コード進行
イントロ
① | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
② | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
③ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
④ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ
Aメロ
安っぽいダサいカレンダー ~
① | Ⅳ Ⅴ | Ⅵm
② | Ⅱm7 Ⅴ | Ⅵm
③ | Ⅳ Ⅴ | Ⅵm
④ | Ⅱm7 Ⅴ | Ⅰ
日付なくて間に合わないな ~
⑤ | Ⅳ Ⅴ | Ⅵm
⑥ | Ⅱm7 Ⅴ | Ⅵm
⑦ | Ⅳ Ⅴ | Ⅵm
⑧ | Ⅱm7 Ⅴ | Ⅰ
Bメロ
君は本当にうまいよなぁ ~
① | ⅣM7/Ⅴ | ⅣM7 | Ⅲm7 | Ⅵm7
② | Ⅱm7 | Ⅲm7 | Ⅳ | Ⅴ
サビ
だってだってだってだってそれなら
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
② | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 Ⅰ
③ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
④ | Ⅳ | Ⅳm6 | Ⅰ | Ⅰ
間奏
① | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
② | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
③ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
④ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ
Aメロ
安っぽいダサいカレンダー ~
① | ⅣM7(9) | Ⅵm7
② | ⅣM7(9) | Ⅵm7
③ | ⅣM7(9) | Ⅵm7
④ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ
Bメロ
相変わらずうまいよなぁ ~
① | ⅣM7/Ⅴ | ⅣM7 | Ⅲm7 | Ⅵm7
② | Ⅱm7 | Ⅲm7 | Ⅳ | Ⅴ
③ | Ⅴsus4 Ⅴ
サビ
だってだってだってだってそれなら
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
② | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 Ⅰ
③ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
④ | Ⅳ | Ⅴ
今日は明日 昨日になる ~
⑤ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
⑥ | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 Ⅰ
⑦ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
⑧ | Ⅳ | Ⅳm6 | Ⅰ | Ⅰ7
(汗が乾)いて 忘れる ~
⑨ | Ⅳ | Ⅳm | Ⅵm7 | Ⅱsus(2,4)
⑩ | Ⅳ | Ⅴ
アウトロ
① | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
楽曲分析
全般
スタイル:楽器隊の掛け合い
左右のギターとベース。これらが気持ちいいくらいに掛け合うイントロとAメロ。まるで対話のようだね。バンドでやると楽しいやつだ。
イントロ
リフ:ペンタトニック
少しコミカルな小躍りのようなイントロリフ。その可愛さ裏腹に音がファズのように奥の方燃えてるようにも聞こえる。今にも爆発しそうな欲を潜めてるかのような…?
ペンタトニック なので違和感も引っ掛けもなくパッと見(パッと聞?)陽気な感じ。
コード進行:安定短文のSD-D-T
① | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
② | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
③ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ Ⅵm
④ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ
ストーリー性を持つ展開でも1番簡潔でわかりやすい サブドミナント → ドミナント → トニック。ここでは
Ⅳ(サブドミナント)
→ Ⅴ(ドミナント)
→ Ⅰ(トニック)
で一見明るいトニックから
Ⅵm(トニック)
の暗い方に引っ張ってく。夜道に気をつけなきゃ…w
Aメロ
コード進行:変化つけるSD-D-T
① | Ⅳ Ⅴ | Ⅵm
② | Ⅱm7 Ⅴ | Ⅵm
③ | Ⅳ Ⅴ | Ⅵm
④ | Ⅱm7 Ⅴ | Ⅰ
ギターの掛け合いは単なる対話なのか、それとも男と女の駆け引きなのか、そんな弦楽器隊のやり取りはAメロに入っても続く。進行も短文簡潔なSD-D-Tなんだけど、さきほどのⅣの代わりにⅡmで
| Ⅱm7 Ⅴ | Ⅵm
| SD D | T
と強いモーションにして変化を与えてる。いわゆる2-5モーション、Ⅱmのところは
Ⅱm + Ⅳ=Ⅱm7={ⅱ、ⅳ、ⅵ、ⅰ}
でⅣに近づけ中和してあまり暗くさせすぎず。この辺は和音は音数が増えると主張が弱まるって話だね。
コード進行:SD-Tのゆりかごと薄めるテンション
時間はとんで、後半2コーラス目のAメロは少しテイストが違うコード進行。
① | ⅣM7(9) | Ⅵm7
② | ⅣM7(9) | Ⅵm7
③ | ⅣM7(9) | Ⅵm7
④ | Ⅳ Ⅴ | Ⅰ
サブドミナント からの トニック はゆりかごのような安らぎ。特にこの
ⅣM7(9) や Ⅵm7
は トライアド に比べてコード主張が薄まったコード。構成音で比較してみると
ⅣM7(9) ={ⅳ、ⅵ、ⅰ、ⅲ、ⅴ}
↓↑
Ⅵm7 ={ ⅵ、ⅰ、ⅲ、ⅴ}
※差はルートの音のみ
と変化量が少ない心に優しい進行。
Bメロ
コード:足元ふわっと落ち着かないⅣ/Ⅴ
① | ⅣM7/Ⅴ | ⅣM7 | Ⅲm7 | Ⅵm7
王道進行 の亜種のような雰囲気。4536でも成立する(メロディがⅰなので、Ⅴから見るとアボイド、Ⅴsus4などで避けた方がいい)、どちらかというと4436のようなSD-SD-D-Tな流れの変化を付けた形かな。その変化形として一発目のコードの
ⅣM7/ⅤがⅤsus4
のような状態で、ふわっとして弱めの解決したい感がある状態。だけどそこから解決はせず襟元ただすような落ち着きのあるⅣにいき、
弱いドミナントⅢmからのⅥm7、
Ⅵmに7thをつけてⅠを重ねることで
Ⅵm+Ⅰ=Ⅵm7={ⅵ、ⅰ、ⅲ、ⅴ}
になってコード主調を弱めてるね。暗くなりすぎない。
コード進行:サビへ向けて駆け上がる順次進行2345
② | Ⅱm7 | Ⅲm7 | Ⅳ | Ⅴ
そして
Bメロでのド定番
Ⅱからの上方への順次進行。最後はドミナントで止めてサビへ向かってます!のラストスパート!

サビ
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
② | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 Ⅰ
③ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
④ | Ⅳ | Ⅴ
サビからリードギターが左右転じる。転じた!?つ、ついに転じましたか!?転がってますのんん??そゆこと!?よし、リフを見ていこー!
リフ:男性的に攻める左のギター
左になったリードギターが感情激しく上下に動く。綺麗の真逆、グリッサンドまみれのリフ。ギターのネックをアップ&ダウン!上下激しい乱高下…
これはさぁ!!つまり(ry
リフ:女性的に少し拒む右のギター
ここで男がいう
すぐ出来ることをしよう もうアレしかないし
に右のギターリフが応える。
♭ⅶ~ⅰ ♭ⅶ ⅰ~
まるで首を横に振るかのようなスライド2発。これってまるでさぁ、
い~や い や~
な画が浮かぶような浮かばないような…。
リフ:女性的に永続的なこの先を望む右のギター
そして初めて出てくる女性側のセリフ
「ずっとずっとずっとこのまま」
このセリフのとおりこの右のギターは、さっきの「いやいや」以外は同じようなフレーズをずっとずっとずっと弾いてる。このままでいたい、付き合いたいということの表れかな?
続いてコードを見ていこー!
コード進行:畳みかける456(SD-D-T)
だってだってだってだってそれなら
どうせ最後はそうなるんだから
① | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
冒頭のコード進行はぐいぐい押して頭3小節で完全に突っ込みきる。Ⅵmまで到達しきる。そこからドミナントⅢm7挟んで次の突っ込みへの準備。
コード進行:大主張の436(SD-D-T)
すぐ出来ることをしよう
② | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 ~
Ⅳからの再スタートは暗い方向(Ⅲ7)に引っ張ってからのドミナントモーションを突っ込む。短調ドミナント化のⅢ7でⅥmへの押し込みは結構激しめ。
コード進行:禁断の浮遊感・下方パッシング♭Ⅵm
(すぐ出来ることをしよう) もうアレ~
② | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 ~
そして最後の小節にかけては関ジャムでオーイシマサヨシさんが紹介していた禁断のコード進行、
Ⅵm7 →♭Ⅵm7→ Ⅴm7
ふわっと襲い来る快感。
コード進行:突き抜ける下属調2-5ー1
(すぐ出来ることをしよう もう)アレしかないし
② | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 Ⅰ
からの明るい主題、トニックのⅠ!ここの接続は下属調の251モーションを借りてる。つまり
Ⅴm7 → Ⅰ →
(次の小節③) | Ⅳ
は下属調の
Ⅱm7 → Ⅴ →
(次の小節③) | Ⅰ
の接続。一度明るいトニックを掲げながらもさりげなく次のアクション(次の小節)への準備も仕込んでる。そこから再度456で突っ込みに行くというサビの展開。
コード進行:終わる夏のⅣm(SDm)
③ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
④ | Ⅳ | Ⅳm6 | Ⅰ | Ⅰ
そして④の2小節目、 ダイアトニック 外のコードⅣm。いわゆる サブドミナントマイナー 。
一瞬で終わる夏
に被せたこのコードは優しく陰るせつない響き。本当に夏が終わるね。。。
コード進行:最後にもう一回の下属調ドミナント(Ⅰ7)
今日は明日 昨日になる
⑤ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
⑥ | Ⅳ | Ⅲ7 | Ⅵm7 (♭Ⅵm7)| Ⅴm7 Ⅰ
⑦ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm7 | Ⅲm7
⑧ | Ⅳ | Ⅳm6 | Ⅰ | Ⅰ7
2回目のサビ、
なんというパワーワード
いやなんというハチャメチャ論理のごり押しでしょう。大事なことだから5回も言っちゃいました、とにかくエロ欲が強い。
一瞬で終わる夏
これもまた、サブドミナントマイナー のⅣmで切なげに…。からの(サビ)もっかいラストおかわり!をするⅠ7。この
Ⅰ7
もダイアトニック外のコード、微細な変化ではあるけれども、これは下属調のドミナントの借用状態。細かく見ると
Ⅰ
でトニックの到達感を得つつも
Ⅰ7
でまだ次に進みたい感情を匂わせ、下属調ドミナントとしての行きたい方向
Ⅳ
に進行するって流れ。この
Ⅰ7→Ⅳ
は下属調の
Ⅴ7→Ⅰ
のドミナントモーション。強く最後のサビに進行したね。
だってだってだってやってさよなら
おしまい!
夏だということで(?)今回はちょっとアダルトな作品に触れてみたよ。このバンド、しつこいくらい言うけどクズ過ぎて僕は好きw
途中エゲつなさげな歌詞とかあるけど、音楽分析重視して触れなかったので他の解説サイトとか読んでみると面白いかも!ってまぁ普通に歌詞見て薄らわかるって?w
なんともジャズマスターの乾いた音が凄く生活感というかリアル感というか、なんというんだろ。汚さ含めた身近感があって生々しい作品だなぁって。書き始めるときりがないけど。
ってことで、みなさま夏を謳歌して…
それじゃーね!
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コメント
[…] エロのときは男の攻める表現、女の断る表現とか女の一時的ではなくその先…とか。今回は男の誘うコード進行とか、女も惰性で許容しちゃったゆりかご(ベッド!)進行とか。あー本当にこのバンドは深読みが面白い! […]