実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!
コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!
過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!
目次
楽曲情報
さて第1回!アーティストはMr.Childrenで、楽曲名は、HANABIだよ。この曲の調は、Dbだよ!まずは①イントロ篇!
本作品の記事は以下だよ!
概要・ポイント
イントロ
コード進行とポイントはこんな感じかな。
①| Ⅵm Ⅳ | Ⅴ Ⅰ
②| Ⅳ Ⅱ7 | Ⅴsus4 Ⅲ7
③| Ⅵm Ⅳ | Ⅴ Ⅰ
④| Ⅳ Ⅱ7 | Ⅴsus4 〃
⑤| Ⅴ 〃
- ①、③は安定の小室進行(6451)
- ②、④のドッペルドミナント(Ⅱ7-Ⅴsus4)のギラつき
- ブロック(①、②…)の間のまたぎはドミナントモーションでスムース
- sus4はすべて解決し小満足感
かな。詳細は以下!
ディグリー分析(トライアド+α)
イントロ
まずはイントロから!記事の補足動画は解説が早いので、以下の記事を読んでから一時停止しながら参照推奨だよ!
①| Ⅵm Ⅳ | Ⅴ Ⅰ
②| Ⅳ Ⅱ7 | Ⅴsus4 Ⅲ7
③| Ⅵm Ⅳ | Ⅴ Ⅰ
④| Ⅳ Ⅱ7 | Ⅴsus4 〃
⑤| Ⅴ 〃
イントロは上のとおり!さらっとポイントだけ流すよ(動画開始~46秒まで)
それでは詳細に見ていこー!
①| Ⅵm Ⅳ | Ⅴ Ⅰ
王道な6451の流れだね。別名小室進行で知られる、“切ないけどポジティブに向かうような気持ち”にさせてくれる進行だ。ギターやベースの指板の動きは右図のとおりだね。
このコード進行の各ディグリーを言葉にすると僕はこんな感じかな?(動画:47秒~1分22秒)
Ⅵm:切ない始まりを Ⅳ:受けて Ⅴ:テーマへ走って Ⅰ:明るくゴール!
②| Ⅳ Ⅱ7 | Ⅴsus4 Ⅲ7
一旦①の最後でトニック(Ⅰ)に到着し、再スタート感のあるⅣから開始だね。ここは
- Ⅰ→Ⅳのドミナントモーション
- 小節頭のⅣという“始まり感”
がポイント!(動画1分23秒~1分32秒)
次のⅡ7→Ⅴsus4は、いわゆる2-5(トゥーファイブ、Ⅱm7→Ⅴ7の形が一般的かな)の動きなんだけど、その変形だね。詳しく見ていこう。
まずⅡmやⅡというポジションにとって、Ⅴは最高に進みたい方向だね。Ⅴはルート単音で見て5度下(ドミナントモーション先)だ。
そしてⅡ7は3和音のⅡ自体がマイナーコード(Ⅱm)のメジャーコード化でダイアトニック外だ。Ⅱmをメジャーにすることでギラつき(キースケールから見るドリアン/リディアンのきつさ)が出てきて、次のコードⅤへの進行力/移動したさは強くなるね。これがセカンダリドミナントの一種、ドッペルドミナントだ。
また、m7をつけるとメジャーコード化したときのM3rdの音とこのm7がトライトーン(不協和音の1つ)関係になる(ドミナントセブンス化する)ので、更に次のコードへの進行力/移動したさが強まるね。最ッッッ高にⅤに行きたい状態になっちゃうわけだ。(別にルールじゃないんだしⅤに行かなくてもいいよ、ただ行ってみたら他のどのコードよりも気持ちのいい解決感に酔いしれちゃうってだけだよ)
効能的なことだけをまとめると
- ⅡmやⅡの行きたい方向はⅤ
- ⅡmがⅡになるとギラつく
- ⅡがⅡ7になるとキツさが増して移動したくなる
- 結果「Ⅱ7によりギラついてⅤへ凄くいきたい状態」になる
Ⅱm7がⅡ7となってギラつく様子を確認してみて。(動画1分32秒~2分19秒)
さて2-5の後半、Ⅴ7側の詳細だよ。ここをⅤ7で受けちゃうとまじめ君過ぎて「うわ、あいつ避けずに真正面から受けちゃったよまじか…」な少しダサさが出ちゃうんだ(人による←)。これをVsus4にすることで、ちょっとすかした感じで受けてるね。
そしてこれが実は別の伏線を張ってたりもするんだ。〇sus4は元の〇コード(または〇マイナーコード)の3番目の音を、スケール上一つ上の音に引っ張り上げたコード。Cだったらミの音をファにした状態がCsus4。引っ張り上げたからには戻したくなるんだな(Cだったらファからミに戻したい)。今回のケースで具体的には
Vのsus4で上げたⅰを半音下のⅶに戻してくれ頼む!!
って状態を生んでる。sus4のサスペンド引力だね。(ⅰ~ⅶは調から見たディグリーで記載してるよ)。注意が必要なのはコードとしてⅤに戻りたいって話ではなく、単音として上記の音が欲しくなってる状態ってこと。はたして欲しかった音はもらえるのか…
次のコードはⅢ7!構成音は
Ⅲ7 = ⅲ、♯ⅴ、ⅶ、ⅱ … ⅶ来たー!!
ってなわけでⅢ7の中で期待の音がもらえて無事sus4は解決したわけだ!あーカタルシス!(動画2分19秒~2分36秒)
さてさりげなく解決してくれたⅢ7だけど、これもダイアトニック外だね(Ⅲmがダイアトニックコード)。これは平行短調トニックのⅥmへのドミナントコードだ。先ほどのⅤのsus4をⅢの5thでうまく解決しつつ、トニックⅠに行きたいⅤの欲求(ドミナント力)をそのまま短調トニックⅥmに飛びたいⅢの力に転換、つまり長調から短調へとエネルギーの方向転換をしたわけだ。
そして待ち構えていたのは…(動画2分36秒~2分53秒)
③| Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅰ
②の最後のⅢの引っ張り/ドミナント感が効いてうまく、そして強く③冒頭の最初のⅥmに帰着したね。最強のドミナントモーション!あとは①と同じ。
④| Ⅳ | Ⅱ7 | Ⅴsus4 | 〃
⑤| Ⅴ | 〃
②と同じ。④最後のⅤsus4で先ほどの2倍長く引っ張り焦らして
Vのsus4=持ち上げられたⅰは早くⅶ に落ちて!
感ばっちり!そこに⑤の
Ⅴ (3rdは ⅶ!)
これにて完全解決!それに加えてこのこはⅤですから
トニックⅠへ行こう、さぁ物語を始めよう!
感でAメロへのお膳立てばっちりだね。sus4で一度焦らした挙げ句にAメロ冒頭で
Ⅴ上がりのⅠ
から始まったら最高じゃん?…って本当に始まるんですよこれが。最高っすね!
…っと一旦ここまで!まとめ
初回だからなのか、熱が入りすぎてイントロだけで結構な文量になっちゃったね、次回以降もうちょっとスリムにするかなー。
要点を整理するよ!
- 小室進行(Ⅵm – Ⅳ – Ⅴ – Ⅰ)
- 前コードⅠ&小節頭Ⅳの始まり感
- Ⅱ7 – Ⅴsus4:2-5モーションの変化系
- Ⅱのギラつき、Ⅱ7のキツさ感
- Ⅴsus4の一旦スカした感
- Ⅴsus4のⅢ7による解決
- Ⅴsus4のⅢ7によるドミナント力の方向転換(長調→短調)
- 次のブロック(Aメロ)に向けてドミナント準備して終わる
今回は一旦ここまで!それではまたね!
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