[耳コピ楽曲分析]ハナヤマタOP-花ハ踊レヤいろはにほ/作曲-田中秀和(調性篇)

[耳コピ楽曲分析]花ハ踊レヤいろはにほ~調性篇~
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楽曲情報

今回はハナヤマタというアニメのOP作品、花ハ踊レヤいろはにほだよ。先走ってコード分析記事を書き始めて思ったんだけど、調性の把握を先にすべきだと思ったんだ。コードの表面上だけを追いかけるんじゃなくて、そのコードはどこの調のどんなディグリーなのか、ってのを感じ取らないとぐちゃぐちゃするなって。

これについては、耳コピのすゝめ~音感不要の採譜~に書いたよ。是非!

作曲者田中秀和で、調は、転調するからその都度書くけど冒頭はFmだよ!必要に応じて楽曲情報ウィジェットで移調してね。

なので、順序は前後するけど本作品の詳細分析のために調性把握をやるよ!鬼のような作品だから覚悟してね!では、いってみよー!

動画

先に動画で流れを見る人はこちらから!適宜記事で補足したい人は記事から先に読んでみてね!

[耳コピ][楽曲分析]ハナヤマタOP-花ハ踊レヤいろはにほ/作曲-田中秀和(調性確認篇)

調性の把握(心に訊く)

本当は、調性把握をしない状態でディグリーは書けないはず(※)なんだけど、記事表現の都合上先に書いちゃうのを許してね。

※例えばCmって書いても、調がわからないと数字でかけないってことね

今回、調性を確認するために無理やり終止感を確認する動画を用意したから、コード表記の◆の箇所は実際に動画の音を聞いてみてね。

頭サビ~イントロ

① | ⅣM7(13) | Ⅴ/Ⅳ | Ⅲm7 | Ⅵm7
② | Ⅱm7 | Ⅲm7 | ⅣM7 | Ⅴsus4

素直にどう聞こえるか、で言うと①の4小節は 王道進行 、4536の流れだね。ってことで①はA♭ メジャーキー だ。

調性の感じ方に自信がなくても、最初の2小節で7音全て出てくるから背景にあるスケールは確定するね。

ⅣM7(13) = { }
Ⅴ/Ⅳ = {}
={}
⇒7つ全部出た!これはつまり、A♭メジャースケール。
※ディグリーに臨時記号が付いていないことに注目!この調でOKってこと。

続く②もA♭キー上から脱線しない。そのまま調性を維持しているっぽく聞こえる。Ⅱm7からの 順次進行 で穏やかに盛り上げてく感じ、駆け上がり進行 だね。

念のため、◆箇所でトーナルセンターと思っているA♭を鳴らしてみよう。動画の34秒から51秒だよ。

図:A♭スタート

Aメロ

① | ⅣM7  | 〃  | Ⅲm7  | 〃◆1
②| ♭ⅢM7 | 〃  | Ⅱm7 ◆2 | Ⅴ7sus4 ◆3 Ⅴ7 ◆4

続いてAメロ。①では元のA♭キーから逸脱していないね。A♭キー継続。順次◆箇所を確認していこー!

◆1=Fマイナー(A♭メジャー)

① | ⅣM7  | 〃  | Ⅲm7  | 〃◆1

◆1の箇所を確認してみよー!直前がⅢmとなっているから、A♭キーというよりも、どちらかというと 平行調 としてF音が トーナルセンター に感じやすいかな。聴いてみて。動画の51秒から1分3秒だよ。

ってことで、①はまだ調性は維持(あえて言うなら 平行調 )だね。A♭キー/Fmキー状態。

図:まだA♭=Fマイナー

◆2=E♭マイナー(G♭メジャー)

②| ♭ⅢM7 | 〃  | Ⅱm7 ◆2 | Ⅴ7sus4 ◆3 Ⅴ7 ◆4

続いて②の冒頭、いきなり変なことに…w

さてここはどう聞こえたかな?僕は同じ調のままか、あるいは長2度下の世界に感じ取ったよ。つまり、先ほどのF音の長2度全音下のE♭が トーナルセンター

聴いてみよー!動画は1分3秒から1分21秒だよ。

どうかな。トーナルセンター の確認もそうだけど、もしキミもここの最後の和音

Ⅴm

終止感 を感じて、

Ⅴm に対する Ⅱm7

に弱い ドミナント のようなものを感じたのであれば、このコード進行を書き換えると長2度下の

Ⅲm7Ⅵm (※)

として書くことができて、E♭mキーの世界にも聞こえてるってことだ。

※コード変換ウィジェットの都合で、原曲キーでこの記事を読んでいるキミには♯と♭が混在して見えてるかもね、ごめん。A♯m=B♭m、D♯m=E♭mのことを表しているよ。

図:長2度下の調

◆3=E♭メジャー(Cマイナー)

②| ♭ⅢM7 | 〃  | Ⅱm7 ◆2 | Ⅴ7sus4 ◆3 Ⅴ7 ◆4

実はさっきの◆2の箇所で、メロディの

  ~ (  ♯ⅰ ~ )
      (♯ⅰ ♯ⅰ ~   ~)

でⅰが♯して、E♭ マイナースケール の3度を 短3度 から 長3度 に変更してる、つまりE♭ メジャーキー を示唆してるんだ。※これもウィジェットの都合で原曲キーだと♯表記で見づらくてごめん。要はディグリーの数字が♯したってところだけ見てね。

更にコードとしてsus4が来てることで、メジャーコード に解決したいフリが完全に乗っかり、E♭ メジャーキー と感じることができる。動画の1分21秒から1分39秒だよ。

言い換えると、先ほどのE♭ マイナーキー から ピカルディの3度 により トーナルセンター をそのままに 同主調 に移動した形だね。

図:長短入れ替えて同主調

でもこの逸脱音、唐突には感じなかったんじゃない?どう?

もう少し深堀して違う視点から見ると、ⅰの♯にあまり違和感を覚えずにスムースに感じる理由として、この音は実は元のキーの音だから、って考えることもできる。元のキーの残り香が残ってる状態、だからすぐ元の調にも戻れそうな状態なんだ。

◆4=A♭メジャー(Fマイナー)かつ◆4=◆3

完全に転調したわけでもなさそう、ってことで実際にさ、このsus4からメジャーコードへの解決時点を元のキーで聴いてみよー。動画は1分39秒から1分57秒だよ。

終止感たっぷり!

A♭が本当の トニック じゃない?ってくらい。つまりここはA♭の残り香もあり、A♭メジャーとE♭メジャーの調の狭間のような不安定な状態っぽい。どっちでも行ける。

図:高速で移る調性は残り香を求めて…

Bメロ1

① | Ⅲm7 ◆1 | Ⅵ7(♭9) Ⅵ7 | Ⅱm7 | Ⅶdim7/♭Ⅵ ◆2

「それでもひふみ」からだよ。既に別記事では分析したけど、A♭キーからE♭キー側への転調。それを確認していこー。

◆1=◆2=E♭メジャー(Cマイナー)

① | Ⅲm7 ◆1 | Ⅵ7(♭9) Ⅵ7 | Ⅱm7 | Ⅶdim7/♭Ⅵ ◆2

ここは完全にE♭ メジャーキー /C マイナーキー の世界。A♭ メジャーキー の残り香をバッサリ切った感じだね。◆1を聴いてみよー!動画は1分57秒から2分8秒だよ。

どう?

Ⅵm

短調トニック に感じるかな?つまり 属調 だね。◆2も聞いてみよー。動画は2分8秒から2分23秒だよ。

この優しさはまさに ハーモニックメジャー からの終止だね。サブドミナントマイナー 感を持つdim7!

図:すぐに戻る転調、残り香効果…か?

Bメロ2

② | | Ⅰaug | Ⅰ6 ◆1 | Ⅰ7 ♯Ⅰdim7 ◆2

ここは背景スケール変化を伴うよくある クリシェ だね。Ⅰの変化でよく使う感じ。ちなみにここの

Ⅰaug ={♯ⅴ}

は、背景スケール:短調側の ハーモニックマイナー 上のコードだよ。よく知れたコードだと

Ⅲ7 ={♯ⅴ}

の代理。

◆1=E♭メジャー(Cマイナー)

② | | Ⅰaug | Ⅰ6 ◆1 | Ⅰ7 ♯Ⅰdim7 ◆2

一応◆1で確認しておこー。動画は2分23秒から2分36秒だよ。

うん、やはりキーはE♭メジャー。続いて見ていこ―。

◆2=Fマイナー(A♭メジャー)

② | | Ⅰaug | Ⅰ6 ◆1 | Ⅰ7 ♯Ⅰdim7 ◆2

最後に出てくるdim7が ノンダイアトニック で怪しいね。どこかに進みそうな雰囲気。どこかなってまた トーナルセンター を想像すると、半音上のFに聞こえる。ここはコード分析や 背景スケール 分析記事でも掘り下げようかな。動画は2分36秒から2分51秒だよ。

小節跨ぐ直前にFマイナーキーへの架橋ができてる。うわぁ、引き込み凄い。。。

図:下属短調のハーモニックマイナーを経て転調

Bメロ3

③ | ⅣM7 ⅢM7 | ⅣM7
④ | Ⅲm7 ♯Ⅱm7 | Ⅲm7 ♯Ⅱm7

⑤ | Ⅱm7 | Ⅲm7 | ⅣM7 | Ⅱ7add9
⑥ | Ⅴ7sus4 | ◆1 (♯Ⅰm7♭5)

ほら、冒頭のキーであるFマイナーキー/A♭キーに入り込んじゃったよ。

③と④は、調性そのままなので特に何も確認はないよ。やっぱり下属調のA♭メジャーまで下りてきてたんだね、って感じかな。

しいて言えば、③の2つ目と④の2つ目のコード。これは調性を感情的にもクロマティックにアウトしてるコードだね。僕の心情的には調性を無視した強引な平行移動コードという認識だよ。なので背景分析は対象外。

◆1=A♭メジャー(Fマイナー)

⑤ | Ⅱm7 | Ⅲm7 | ⅣM7 | Ⅱ7add9
⑥ | Ⅴ7sus4 | ◆1 (♯Ⅰm7♭5)

ここは聴くからに 順次進行 の一種である 駆け上がり進行 から パッシングハーフディミニッシュ (= ドッペルドミナント )を経ての ドミナント sus4、念のため調性確認でキーがA♭であることを聴いて確認しておこー!動画は2分51秒から3分7秒だよ。

間違いないね。

よね?

サビ~

サビからは背景スケールがふんだんに変化していくけど、調性の中心はE♭メジャー/Cマイナーだよ。ここから調性確認はさほど大変ではないと思う(多分…)ので、コード分析/背景分析の記事にしようかなって思ってるよ。

途中まで終わり!

ってことで調性確認どうだったかな?これを踏まえると、やっとディグリーを振ることができて、そこから先の分析ができるようになると思うよ。

そして動画にも書いたけど、これはあくまで僕の聴感。もっと細かいこと言えば

途中GmからC7♭9いったところは更に下属調じゃん!

って感じる人もいるだろうし、Aメロ最後のバタバタなんて

ずっとセンターはA♭に聴こえてますけど?

って人もいると思う。(まぁ実際、僕の素直な聴感以上に細かく書きすぎたって気もしてる…ごにょごにょw)

つまり最後に言いたいのは、耳コピのすゝめ記事にも書いた通り

分析する上で重要なのは自分の感情

ってことだよ!キミの心はなんて言ってる?

あ、あとボカロがうまくいかなくって、GUMIさんが歌詞をちゃんと発音してくれなかったところがあってごめん!でもま、直さなくていいよね?ね?(;’∀’)

それじゃーね!

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