[楽曲分析]ワタリドリ/[Alexandros](全篇)

[楽曲分析]ワタリドリ/[Alexandros] 全篇
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実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!

コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!

過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!


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楽曲情報

さて、今回の楽曲分析の題材は アーティスト [Alexandros]作品名 ワタリドリ だよ!結構古い作品のはずなんだけど、最近またCMとかでも聴くよね。名作だ!

調Aだよ。♯が3つ、ファとドとソにつく調だ。

コード進行

パートごとに書くよ。2コーラス目等同じものは省略するね。

イントロ

① | | | Ⅵm |
② | | | Ⅵm |
③ | | | Ⅵm |

Aメロ

① | Ⅵm | | | Ⅲm/Ⅶ
② | Ⅵm | | |

Bメロ

① | | | Ⅲ7 | Ⅵm
② | | | |

サビ

① | Ⅵm | | | Ⅲ7
② | Ⅵm | | | Ⅲ7
③ | Ⅵm | | | Ⅲ7
④ | Ⅵm | | |

大サビ

① | | | | Ⅵm7
② | | | | Ⅵm7
③ | | | Ⅲ7 | Ⅵm7
④ | | | |
⑤ | | | Ⅵm |

詳細楽曲分析

全般

リズム:体動かしたくなるリズム

このバンドは本当にリズムが独特だなって思う( そんなに[Alexandros]について詳しくはないけどその印象が凄く強い )。独特というか、バンド物として今までなかったんじゃないかなっていう斬新なノリだなって思う。

本作品も

| ッ ッ
|
|
|
※K=キック、S=スネア

っていう、なんともサンバとかのそっち系民族音楽を彷彿させるような踊りたくなるリズム。4つ打ち(バスドラムを四分音符感覚で打つ)だよって言われてもあまりのノリ感に「え?まじ?」って感じ。

サウンド:ボーカルダブリング

そしてサウンド的に抜ける声の通ったボーカルが、サビに関してはハモリからのダブリングで更にぐぐぐっとくる

ダブリングというのは、2回以上同じ歌唱を録音して、それを被せるって手法なんだけど、人間って完璧じゃないからどこか微妙にずれちゃうんだ。そのずれがステレオ感を生んで、ぐっと注目するようなサウンドになるテク。

サビ冒頭でハモってついてきた歌唱がド真ん中ドーンとユニゾンして気持ちいい。

ブレイク:リスタート感

で、一度サビで高まったあとのブレイク!ブレイクって僕は

  • 停止時の「え、何が起きた?」って注目させ解決を望ませるドミナント的効果
  • 再スタート時の楽器隊のまとまり感・結束感。「よーい!どん!」効果

っていう2つの効果があると思うんだ。仕切り直し再スタートに最適な効果だね、さぁ、続いていくぞー!って感じだ!

イントロ・間奏

リフ:トニックの振り子と変わりゆく光景

この作品で強烈な印象を放ってるのがイントロのリフ!

| |
| |
| |
|  |

これ本当耳に残るよね。構成音としては上の通りで、これを無理やりコード表記にすれば

Ⅰadd9 = {}

というコード、ⅱを経過音としてみれば

= {}

というコード、つまりトニックになる。このトニックの端っこの音(ⅰとⅴ)を行き来する、まるで振り子のようなリフなんだ。

コードAの振り子リフ
GIF:コードAの振り子リフ

音の近さというちょと小難しい記事を以前書いたけど、その中の和声的距離でいうと

の隣(最寄りの音)は

五度圏上のCメジャースケール
五度圏上のCメジャースケール

だから、調の主役であるトニックの、仲いい音同士でゆらゆら振り子になってるんだ。(右図でラとミが隣り合う近さにあるってこと)

そしてトニックはとにかく調の親和性が高い(ここでも少し触れたけど) 、みんなの視点(聴点?)が主役トニックのゆらゆら振り子に注目している中で、背景のコードが情景を変えていく展開になってるね。情景だけが変化していく様子のようで凄く綺麗。

演奏:情景に徹するギターメロライン

泣きのギターソロ

って言葉聞いたことあるかな?泣きっていうのは感情を込めた演奏で、チョーキング(弦を持ち上げて音程を上げ下げする、歌で言うところのしゃくりやこぶしのようなもの)やらビブラートやらで、聞き手の感情にぐっとくるような演奏。心に入り込むような感情移入しやすい演奏だよ。

で、この作品のギターソロはビブラートもチョーキングもない、それどころか多分全部ダウンピッキングっていう、ギタリストならわかると思うけど言ってしまえば泣きの真逆・無機質

ここはなんだか、感情に入り込むギターというよりも、夕焼けの情景を見ている自分の外の出来事・光景を演出しているように聞こえた。

Aメロ

① | Ⅵm | | | Ⅲm/Ⅶ
② | Ⅵm | | |

コード進行:ドラマティックかつ安定の小室進行

①| Ⅵm | | | Ⅲm/Ⅶ

言わずと知れた小室進行、小室哲哉氏が多用したことでそう呼ばれるくらい浸透したコード進行だね。ドラマティックでいて安定。

最後の

Ⅲm/Ⅶ

は次のコード

Ⅵm

へのつなぎで、ベース音が

と下行する順次進行。

② | Ⅵm | | |

コード進行:順次進行(下行)と主題掲示の451

そのまま順次進行でⅣまで降りていき、


SD→D→T

で主題を掲げる進行。1度明るく区切りをつけるイメージだね。

Bメロ

① | | | Ⅲ7 | Ⅵm
② | | | |

コード進行:日本人大好き4536のモーション重め版

① | | | Ⅲ7 | Ⅵm

J-POPで愛されてるコード進行の1位2位を争ってるんじゃないかなってくらい日本人に刺さる王道進行、4536。

ⅢmⅢ7

にすることで短調のドミナントとなり

Ⅵm

への向かうエネルギーが強くなってる。到達したときのすっきり感ましまし。

コード進行:主題再掲示とダメ押しドミナントモーションおかわり!

② | | | |

そしてここで再度主題の提示の


SD→D→T

ここで終わるかと思いきやダメ押しのドミナントモーションおかわり!


D→T

トニック終止で完全なる一旦区切り感!さぁ、いよいよサビいくぞ!ってな感じ。

サビ

① | Ⅵm | | | Ⅲ7
② | Ⅵm | | | Ⅲ7
③ | Ⅵm | | | Ⅲ7
④ | Ⅵm | | |

メロディ:羽ばたく跳躍

メロディの跳躍がやばい。どこかって言うと

僕等一心に    ⇒ 羽ばたいて

故郷(まち)は一層 ⇒ 輝いて

あなたを未来   ⇒ へ運ぶよ

朝焼け色     ⇒ に染まっていく

のところ。なんと、1オクターブ+長3度飛んでる。原曲キーで鍵盤やギターのフレットで表すとこんな感じ。

…指届きませんw

そりゃぁ一心に羽ばたいて輝いて運んで染まっちゃうよ。なんともぐっとくる跳躍だね。凄い…。

コード進行:先にアゲて次に構える6415

① | Ⅵm | | |

Aメロで使われていた小室進行に似てるようでちょっと異なる進行の6415。小室進行は645がお膳立てで、最後に1へ万事到着!というドラマティックな展開だけど、このサビの進行は、64から次に1に進行する。

この

図:5度下降(これに逆行する)
図:5度下降

5度下降に逆行する進行で、接続感的には接着力があまり強くない。

聞かせ方によっては「Ⅳの続編のⅠですよ」ではなく「Ⅳの物語は終わりました。ところで!ここで新しいⅠの物語があってですね」ってⅠが唐突に聴こえることもあるくらい、この方向の壁があるかなって感じ。

次の

についても同じ。とはいえ、

もメジャーキーの中の中心3本柱なので、毎回リセットされるようなコードの接続であってもそこに1つ1つの光景があるイメージ。まーここは人に寄るけどね、その壁の厚さのせいなのか、僕には1つ1つのコードごとにガツンと大き目のエネルギーを感じるよ。


このような強進行に逆行する流れは洋楽に多い(僕の感覚調べ)んだ。どこか洋楽っぽさや広大さを感じるのは、洋楽がバックボーンにあるのかもね。


①のコード進行の最後に

Ⅲ7

で次の小節頭の

② | Ⅵm

へのお膳立てばっちり!短調ドミナント

大サビ

① | | | | Ⅵm7
② | | | | Ⅵm7
③ | | | Ⅲ7 | Ⅵm7
④ | | | |
⑤ | | | Ⅵm |

これもサビに書いた

逆行

の話や、

Ⅵm7 に行きたい力高める短調ドミナントⅢ7

に同じだから省略するね

終わりに

さて、分析どうだったかな。

テクニカルな作品ではないけど、シンプルさ故に心情にぐっと入って残り続ける印象の強い作品だね。息の長い名作だ。

今回はサウンドや特にギターの演奏法についても少し触れてみたよ。あまりこういうことかけたもんでもないけど、少しでも参考になればと!

それじゃーね!

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