実際のヒット曲で学ぶ音楽理論だよ!キミの音楽理論で整理した武器で楽曲を分析し、得られた知見をキミの音楽理論にフィードバックしてレベルアップいくんだ!
コード進行は「楽曲情報」ウィジェットで好きな調に移調できるから、分析やコピー演奏の際の参考に活用してみてね!
過去に耳コピ+分析した作品たちは カテゴリ検索 または 目次(手動更新のため不定期) から参照できるよ。それではいってみよー!
サマソニだああああああああああああああああああ
ってことで今回はそんなフェス盛り上がりな作品!
楽曲情報
さて、今回の楽曲分析の題材は アーティスト ZEBRAHEADの 作品名 Hell Yeah! だよ!地獄って意味ではなく、スラングで「めっちゃくちゃイェー!」的な意味。
調は E♭mだよ。 ここでは一旦初期表示としてはEm表記にしておくので、必要に応じて【楽曲情報ウィジェット】のプルダウンで変更してね。
Zebraheadは日本大好きで、毎年のように日本に来てくれるバンド。新譜出す直前に東日本大震災があり、それを知った彼らは「日本に元気を届けたい」と言って新作の歌詞を日本を応援するフレーズに変えたり…(TOT)いい人たちだよ。
中でも凄く親日だなって身近に思うのが、世界的なアーティストなのにTwitterのアカウント(@zebrahead)がちょいちょい日本語なの。なんで??JPとかつかないアカウントなのに???
とまぁ、語りだすと止まらなくなるのでこの辺で!分析にいってみよー!
コード進行
イントロ
① | Ⅵm Ⅰ | Ⅱm Ⅴ
② | Ⅳ Ⅳ | Ⅰ Ⅲ/Ⅶ
③~④:①~②に同じ
ヴァース
① | Ⅵm Ⅵm/Ⅲ | Ⅰ Ⅱm
② | Ⅵm Ⅵm/Ⅲ | Ⅰ Ⅱm
③ | Ⅵm Ⅵm/Ⅲ | Ⅰ Ⅱm
④ | Ⅴ | Ⅳ
⑤⑥⑦⑧:①~④に同じ
ブリッジ(Bメロ)
① | Ⅵm | Ⅴ Ⅳ
②~③:①に同じ
④ | Ⅲm | Ⅳ Ⅴ
コーラス(サビ)
① | Ⅵm | Ⅵm
② | Ⅲ | Ⅲ
③ | Ⅴ | Ⅴ
④ | Ⅱm | Ⅱm
⑤~⑧:①~④に同じ
間奏
イントロに同じ
ヴァース
1コーラス目と同じ
ブリッジ
コーラス目と同じ
コーラス(サビ)
1コーラス目と同じ
ソロ前間奏
① | Ⅵm | Ⅵm
② | Ⅲ | Ⅲ
③ | Ⅴ | Ⅴ
④ | Ⅱm | Ⅱm
ソロ
① | Ⅵm | Ⅵm
② | Ⅲ | Ⅲ
③ | Ⅴ | Ⅴ
④ | Ⅱm | Ⅱm
⑤~⑧:①~④に同じ
大サビ
① | Ⅵm~一発
コーラス(サビ)
コーラス(サビ)に同じ
間奏
イントロに同じ
楽曲分析
全般
スタイル:パワーコード
全般的に パワーコード でぐいぐい突き動かすスタイルだね。この手のジャンルはパワーコード主体が多く、ギター以外で3rdの明暗表情を付けることが多い。
パワーコード とはなんぞや?って話は別途記事をラウンジに書こうかな。連続5度の禁忌から解き放たれるサウンド、この手のジャンルに持ってこいだよ。
イントロ
リフ:重心を揺さぶるリフ
① | Ⅵm 休 休 Ⅰ | Ⅱm 休 休 Ⅴ
② | Ⅳ 休 休 Ⅳ | Ⅰ Ⅲ/Ⅶ
1拍目と4拍目を重たいサウンド(それこそパワーコード)で強調するリフ、がっつり心を揺らしに来るね。そこを泳ぐツインギターのハモリメロ、期待高まる。
カッコイイ!!!
コード進行:移り変わるダイアトニックの景色
この手の音楽には Ⅶdim が出てくることはあまりない。トライアドやパワーコード中心の作品だと Ⅶdim の響きは強烈すぎるからだと思うんだ。4和音以上の空間だと使いやすいけどね。
ここのパートではこのⅦdim以外全ての ダイアトニックコード が出てきて目まぐるしく移動する。
1~3小節の4泊目のコードは次の小節へのアプローチ、省略可。大雑把に見ると
① | Ⅵm (Ⅰ) | Ⅱm (Ⅴ)
② | Ⅳ (Ⅳ) | Ⅰ Ⅲ/Ⅶ
とも見れるね。1小節目から2小節目へはⅠを瞬間的なアプローチと考えるとⅥからⅡmへの5度下降。
そして2小節目から3小節目はそこから5度下降先のⅤをワンクッション経てⅣに到着。サブドミナントにて一旦休憩、待機した感じだね。
Ⅴ→ⅣやⅣ→Ⅰのような進行は、順当な流れ(Ⅳ→ⅤやⅠ→Ⅴ)に逆走する流れだ。悪いことではなくって、若干の抵抗感がある。言葉を変えると聞いた際のエネルギーがスムースな進行よりも強くって、洋楽なんかではよく使われている印象。
最後は短調へ転じる時によく使われるⅠ→Ⅲ。短調ドミナントⅢの出現で一気に短調モード、Ⅵmへ飛び立つエネルギー満タンだ。実際次のコードもⅥmで、お膳立てばっちり!
そしてここはベース音をⅦにすることで1→7→6と降りていく 順次進行 にもなっている。
ヴァース(Aメロ)
リフ:単音弾きと四つ打ち
前半がギターのみの単音弾き+ドラム4つ打ち、後半からベースも入ってユニゾンでの単音弾きと4つ打ちになる。なんともシンプルだね。シンプルな分この後のサビが映えてる。
このシンプルな単音弾きは、ピアノとかで弾くときとかは前半は以下にして変化をつけても変化が出て勢いつくね
Ⅵm Ⅵm/Ⅲ Ⅵm/Ⅰ Ⅵm/Ⅱ
上の音はずっとマイナートニックⅥmで、ベースだけ動かす感じ。
ブリッジ
① | Ⅵm | Ⅴ Ⅳ
②~③:①に同じ
④ | Ⅲm | Ⅳ Ⅴ
コード進行:逆走ロックの654
①~③はここも順当な流れの逆走、リズム強拍に合わせてエネルギー感満点だね。
コード進行:ゴールダッシュの345
そしてドミナントⅢmで少し貯めこんでからのⅣ→Ⅴ。一気にトニックにダッシュする感じのままサビ突入。
コーラス(サビ)
① | Ⅵm | Ⅵm
② | Ⅲ | Ⅲ
③ | Ⅴ | Ⅴ
④ | Ⅱm | Ⅱm
⑤~⑧:①~④に同じ
リフ:メロディの裏を駆け回るツインハモリ
いっぱいお膳立てしてからのサビで、聞こえてくるのはヘビーサウンドの裏を駆け回るツインギターのハモリメロ、かっこいい!
コード進行:逆走ロックの63526
ここもまたコード進行は逆走の流れだね。
- ①から②のⅥm→Ⅲ
- ③から④のⅤ→Ⅱm
- ④から⑤のⅡmからⅥm(戻り)
なんて全部逆走だ。
Ⅲm→Ⅴというコード進行はクラシックの音楽理論なんかでは禁則されている進行で、②から③はそれによく似た進行。でもここの進行は短調ドミナントのⅢを経由してる。一度高まった短調トニックへの解決欲・緊張感を解決せず、長調ドミナント(緊張感が薄まる方向)で我慢させちゃうなんとも強い抵抗・逆走だね。
ソロ
① | Ⅵm | Ⅵm
② | Ⅲ | Ⅲ
③ | Ⅴ | Ⅴ
④ | Ⅱm | Ⅱm
⑤~⑧:①~④に同じ
怪しい雰囲気のソロフレーズ、この少し陰った独特のにおいはスケールによるもの。実際にここのおりていくフレーズを見てみると
♯ⅱ ⅲ
ⅶ ⅰ
♯ⅴ ⅵ
ⅲ ⅳ
となっている。ⅰから並べると
ⅰ、♯ⅱ、ⅲ、ⅳ、♯ⅴ、ⅵ、ⅶ
となっていて、これは ダブルハーモニックマイナー だ。
多くは ハンガリアンマイナースケール って言われるようだけど、ざっくり性質観点で言っちゃうと、今いる短調のハーモニックマイナー変化音(5番目を♯)と、属短調のハーモニックマイナーの変化音(今いる調の2番目を♯)を取り込んだスケール。
ダブルハーモニックマイナー はダブル(2つ)の調でのハーモニックマイナーって覚えると性質も理解しやすいかな(と僕は思ってるw)
もちろん人によっては、この曲者スケールを考えずに『♯ⅱはⅲへの導音=ⅲへのアプローチノートなのでスケールアウトとして許容してる』って解釈もあると思うよ。
ところで、③のコード
Ⅴ={ⅴ、ⅶ、ⅱ}
は、ⅱが♯してることを否定している…。この「コードとメロディで片方は変化音・もう片方は変化しない音のまま」のような同居ケースは、別途研究&整理しよう。
おわり
ここまで!変わったスケールも出てきたけど、なんといっても特徴としてはやっぱり逆走ロック、かな?洋楽らしいエネルギッシュな楽曲だったね。どうだったかな?
このコード進行はロックというよりも洋楽に多いイメージで、例えばアナと雪の女王なんかでもよく逆走してる。僕にはそれが洋楽らしさって感じがする。キミはどうかな?英語の文法にも関係ありそう(これはまた気が向いたら別の記事で)
それじゃーね!
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