ピアノとかの鍵盤楽器にさ、シャープとかフラットって呼ばれる黒鍵盤があるよね。「シャープ?って何?尖ってるの?」「フラット?平(たいら)なの?」とかって考えたことある?
例えばソとラのあいだの音、ソ♯って言ったりラ♭って言ったり何が違うの?偉い人が決めたルールってだけでしょ?演奏にも聴感にも何にも関係ないよね!
…ってそんな人も多いんじゃないかな?実はこれ、勝手に決められたルールとかって以前に、聴こえ方の問題・別の音なんだ。誰でも聞けばわかる話なので実際に聞いて感じてみよー。
※音楽に詳しいキミへ。今回の話は調号の話ではなく、基本スケールから逸脱する時の臨時記号の話だよ。転旋の聴感につながる話かもね。
目次
動画(①錯視ならぬ錯音)
本記事をそのまま並べた動画だよ。動画見てから読んでもいいし、最後に動画で確認してもよし!
~空(ソラ)の間の音~
同じもの―違う感じ方
突然だけど、この絵を見てみて。影の中の白鍵盤と明るみの黒鍵盤、何色?青い〇を付けた鍵盤と赤い〇を付けた鍵盤のところだよ。色は同じかな?
青い〇の方は白だよね。赤い〇は?灰色かな。
実は、同じ色なんだ。有名な錯視の絵を真似て作ってみたよ。いやいや、そんなことない!ってキミのために2つの場所を灰色の矢印でつなげた図を貼るよ。同じ灰色で繋がってることがわかるね。
同じ色なのに周りの環境により真逆の違う色に見える錯視、面白いね。人間は同じものでも背景や環境によって違うものに感じることがあるんだね。
実はこの現象、
音楽にもある
って知ってた?同じ音を聞いても感じ方が真逆くらい違うってことがあるんだ。
同じ音高―違う響き方
実際に聴いて感情に訊こう
まず次のを聴いてみよう。最後の音、どう聞こえる?どんな感情になるかな?
覚えた?その感情を覚えておいてね。次のサンプルを聞いたときの感情と比較しよー!次も最後の延ばす音に注目!
どう?何か違う?どう違う?
聴いていたのは
聴いていた音、実は同じ音なんだ。鍵盤で言うとここ!
ソとラの間の黒鍵盤の音を伸ばしていたんだよ。まさに冒頭で言ったソ♯だかラ♭だかだよ。でも違う音だって思った人は気を落とさないで欲しい。というよりむしろ自分は音感(音楽感受性の繊細さ)があると思って欲しい。
違うと思った人は、具体的にどんなイメージの差がある?(同じにきこえたキミはごめんね、僕のサンプルの作り方が悪いって可能性もあるからね…)僕の意見を書くとこうだよ。
- 前者:優しめな音
- 後者:キツめな音
同じ音高を聴いてるのに、優しめ/キツめと真逆な感じ方をするんだ。僕の言葉で簡単に♭と♯を類別すると
- ♭:優しくなる変化
- ♯:キツくなる変化
って感じ。文字通り♭はフラットにする、平坦に感情の角を丸くする感じで、♯はシャープにする、鋭利にする感じ。
つまり、ある音を♯で表すか♭で表すかっていうのは作曲者の好みでも意味の無いお作法でもなく、実際の音の聴こえ方を表している正しい表現方法なんだ。
合うコード
この音は何かのコードの一部だろうか?って考える人もいるかもね。コードを連想するから響きが違うんじゃないかって。よし、じゃーもったいぶらず聞いちゃおー!
まずは、優しいって言ったラ♭の方から行くよ。
どう?少し優しくかげったもの悲しい感じでしっくりこない?これは、Fm。元のキー(Cメジャーキー/Aマイナーキー)からするとⅣm、サブドミナントマイナーだね。
続いてソ♯の方も聞いてみるよ。
これはソ♯のところがきた瞬間にぎゅっとキツく心が引き締まったね。このコードの正体はE7。元のキー(Cメジャーキー/Aマイナーキー)からするとⅢ7で短調のドミナントだね。
両方ともおまけのコードを最後につけちゃったけど、心が求めた方に帰着できたんじゃないかな?FmはCに帰着し、E7はAmに帰着したよ。
整理すると…
まとめ
今回の実験で分かったことは、
- 同じソとラの間の音なのに聞かせ方で音の印象が変わる
- ラ♭は優しめな響き
- ソ♯はキツめの響き
今回のサンプルでソ♯とラ♭が違うものなんだって分かってくれたなら幸い!
楽曲分析においては、「おや、今変わった音が聞こえたぞ(スケールアウト)」と感じた時に、感情の優しい方向なら♭変化、感情のキツい方向への変化なら♯変化って思うといいよ。
次回
でもなぜ響きが違うんだろう?ディグリーの違うコードを鳴らしたらそりゃ響きが違うよね、って思いがちだけど、、、
果たしてコードのせいなんだろうか?
…実はもっと深いところに理由がありそうだよ。
それじゃーね!
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